2011 Fiscal Year Annual Research Report
体内での核酸の送達・可視化・定量を目指した金ナノ粒子内包型デバイスの設計と創製
Project/Area Number |
22710114
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
大石 基 筑波大学, 数理物質系, 講師 (90419242)
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Keywords | ナノデバイス / 金ナノ粒子 / siRNA / ナノゲル粒子 / 送達 / 可視化 |
Research Abstract |
本研究の目的は、体内で安定にsiRNA(核酸医薬)をガン組織・細胞まで送達し、かつ可視化・定量できるナノデバイスを創製することである。具体的には、本申請者が独自に開発した金ナノ粒子を内包したPEG化ナノゲル粒子と末端にチオール基を有するsiRNA(SH-siRNA)と複合化することによりナノデバイスを構築する。さらに、このナノデバイスは1粒子あたりに金ナノ粒子を数十個有することでX線CTによる造影効果が高いためガン組織への送達を可視化・定量するのに優れ、かつ細胞質および外部刺激(パルスレーザー)で切断可能なAu-S結合によりsiRNAをゲルコアに内包しているため細胞質内で効率よくRNAi(遺伝子発現抑制)効果を導くことができるシステムである。平成23年度は、前年度の結果をもとに1)金ナノ粒子内包型PEG化ナノゲル粒子へのSH-siRNAの内包、2)グルタチオン(細胞内環境)応答性、および3)内在性遺伝子に対するRNAi(遺伝子発現抑制)効果を検討した。その結果、SH-siRNAの内包量は、PEG化ナノゲル1粒子あたりの金ナノ粒子の内包個数が増加するに伴い減少することが明らかとなった。また、内包されたSH-siRNAは、細胞質内環境のグルタチオン濃度(10mM)に応答してリリースすることが明らかとなった。さらに、SH-siRNAを内包した金ナノ粒子内包型PEG化ナノゲル粒子は、培養細胞のサバイビン(内在性遺伝子)に対してRNAi(遺伝子発現抑制)効果を示すことが明らかとなった。前年度および今年度の成果から、この金ナノ粒子を内包したPEG化ナノゲル粒子は、siRNAをガン組織・細胞まで送達し、かつ可視化・定量できるナノデバイスとして有用であることが示唆された。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Systemic Delivery of siRNA to Tumors Using a Lipid Nanoparticle Containing a Tumor Specific Cleavable PEG-lipid2011
Author(s)
H. Hatakeyama, H. Akita, E. Itho, Y. Hayashi, M. Oishi, Y. Nagasaki, R. Danev, K. Nagayama, N. Kaji, H. Kikuchi, Y. Baba and H. Harashima
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Journal Title
Biomaterials
Volume: 32
Pages: 4306-4316
DOI
Peer Reviewed
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