2010 Fiscal Year Annual Research Report
周期ナノフォーカシングアレイによるプラズモニックラマンセンサーの開発
Project/Area Number |
22710115
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
山口 堅三 豊橋技術科学大学, 大学院・工学研究科, 助教 (00501826)
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Keywords | 表面プラズモン / ナノフォーカシング / ホールアレイ / 表面増強ラマン散乱 / 単一分子ラマンセンサー / 有限差分時間領域法 / 集束イオンビームリソグラフィ / 顕微分光測定 |
Research Abstract |
本研究の目的は、プラズモンナノフォーカシング構造と表面増強ラマン散乱(Surface Enhanced Raman Scattering:以下、SERS)との融合を図った単一分子ラマンセンサーの開発である。本センサーを実現するにあたり、これまで困難とされていた1分子の結合反応がリアルタイムで高感度に検出することが可能となる。 平成22年度の研究実施計画には、数値計算による最適構造の模索とその試料作製、試料評価の3つに大別される。 第1に、有限差分時間領域法を用いた数値計算においては、周期ナノフォーカシングアレイの原理確認を行った。また、フォーカシングホール径やホール間隔、膜厚におけるそれぞれの最適値を検討した上で、最適構造を決定した。さらに、アレイ化による光学特性の変化を明らかにした。 第2に、所定の基板にスパッタ法による金薄膜を成膜し、集束イオンビームリソグラフィ法により周期ナノフォーカシングアレイを作製した。ここでは、数値計算により得られた最適構造の作製に成功した。 第3に、作製した試料評価においては、顕微鏡下で透過や散乱光による線形光学特性を測定可能な光学系を構築した。そこで、作製した試料の透過ならびに散乱光スペクトルを測定した結果、計算結果と定性的によく一致した。さらに、当初の予定を大幅に推進し、顕微鏡下におけるSERS測定系を自らの光学系においても構築した。 これらの研究成果ならびにその関連発表としては、論文7報と学会発表15件(内、国際会議7件、国内会議8件)である。以上のことから、平成22年度の研究実施計画を着実に遂行したと考えられる。
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