2010 Fiscal Year Annual Research Report
導電性ソフトマテリアルを用いた長寿命・高信頼性RF‐MEMSスイッチの研究
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22710119
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
吉田 慎哉 東北大学, 原子分子材料科学高等研究機構, 助教 (30509691)
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Keywords | 導電性高分子 / 分子層堆積 / 走査型プローブ顕微鏡 / MEMSスイッチ |
Research Abstract |
本研究の目的は、導電性高分子をスイッチの接点に用いることで、その柔軟性によって接点の信頼性を向上させることである。研究目的の実現に向けて、平成22年度は主に下記についての研究を行った。 1.導電性高分子の接着性や弾性特性などの化学的・機械的特性の評価とその評価法の確立 導電性高分子の上記の特性はこれまでほとんど報告されていない。そこで本研究では、走査型プローブ顕微鏡(SPM)を用いてその評価を試みた。実験では、表面グラフト重合を用いて金電極上にポリアニリン薄膜を形成した。次にSPMによってフォースカーブ分布像を取得し、それを解析することでマイクロ・ナノスケールでの接着力および弾性特性を評価した。実験の結果、ポリアニリンの接着力は他のポリマーに比べて比較的小さく、ヤング率はポリメチルメタクリレートと同程度であることがわかった。今後はさらに柔軟かつ低接着性の導電性高分子を模索する。 2.機能性高分子の精密成膜法の開発 表面グラフト重合よりもさらに分子配向性や膜厚制御性の良い薄膜形成法として、分子層堆積法を検討した。本年度では、分子層堆積装置を自作し、予備実験として機能性ポリイミド薄膜を気相成膜した。その結果、Au電極上に極めて均一な高分子薄膜を形成させることに成功した。さらに副次的な成果として、この高分子に電圧を印加させることで導電性を一万倍以上変調させることに成功した。今後は、本成膜法を導電性高分子の成膜に適用できるかどうかを検討し、実際のデバイス作製を試みる予定である。
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