2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22710121
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
木下 晴之 東京大学, 生産技術研究所, 特任助教 (40466850)
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Keywords | マイクロポンプ / マイクロバルブ / 電気浸透流 / マイクロ流体 / 流体制御 |
Research Abstract |
本研究は、ポンプ機能やバルブ機能を名刺サイズのマイクロ流体デバイス内部に作り込む、真の意味でのマイクロ流体操作システムの小型化・集積化を実現し、マイクロ空間での自在な流体操作を可能にする「マイクロ流体制御プラットフォーム」の構築を目的とする。本年度は最初に電気浸透流ポンプをマイクロ流体デバイス内へ作り込む実験を行った。その方法として、市販の小型EOPでも用いられている直径5mm、厚み2.5mmの多孔質セラミック片をマイクロ流体デバイス内部に埋め込む方法を試みた。多孔質セラミックを金型に配置し、そこへ未重合のPDMS(シリコーンゴムの一種)を流し込んで重合、硬化させる。多孔質セラミック片の内部に液体のPDMSが浸潤するのを防ぐために、セラミック側面をあらかじめPDMSでコーティングするなどの工夫を凝らすことで、多孔質セラミック片とPDMSデバイスを一体化させることに成功した。さらに電気浸透流ポンプの構成要素として必要な電極としては、薄膜金電極をパターニングしたガラス基板を用いた。セラミック片の上下にリング状の金電極膜が配置されるようにパターンをデザインすることにより、セラミック片が埋め込まれたPDMSシートを2枚の電極付きガラス基板で挟んで接着するだけで電気浸透流ポンプを実現することができた。次に、このPDMSシートとガラス基板で構成される電気浸透流ポンプユニットを使ってその送液性能の評価実験を行った。電気浸透流ポンプ出口に流量センサと圧力センサを接続し、印可電圧を変化させながら流量と吐出圧力の測定を行ったところ、市販の電気浸透流ポンプには劣るものの、マイクロ流体制御には十分利用できるだけの流量・圧力特性を示すことが分かった。
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