2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22710134
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
菅野 太郎 東京大学, 大学院・工学系研究科, 准教授 (60436524)
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Keywords | チーム協調 / チーム認知 / 相互信念 / ヒューマンモデル |
Research Abstract |
当該年度においては,フライトシミュレータを用いたチーム実験とチーム医療に携わる看護師へのヒアリングを計画・実施し,得られたデータからチーム認知に関する理論モデルの構築を行った.主に発話内容データおよび回顧によって説明されたチーム認知に関するデータからチーム認知モデルの要素を整理し,それらを相互信念の観点から整理することによってチーム認知の理論モデルを構築した.この理論モデルと先行研究の知見から,これまで明示的に定義されてこなかった共有の概念に関して,1)主体の内的視点,2)チームの外からの視点,の2つの異なる視点からの定義を与え,これらの定義を用いることによって共有度の指標をモデルの観点から統一的に定義することができた.また,提案モデルを用いてチーム協調における認知活動を以下の4つのステップから構成されるプロセスの観点から説明を与えた.1)自身の内的状態のMonitoringとAssessment,2)内的状態更新の目標設定,3)コミュニケーションモードの選択,4)具体的内容の伝達.さらに,提案モデルに基づいた発話分類項目を設定し,前述のチーム実験における発話の分類も行った.このように新しく提案したモデル・概念を過去の関連研究に対する位置付けを行い,提案モデルが過去の関連研究で提案されているモデル・概念を包括するものであることを確認した.以上のように,共有指標,チーム認知プロセス指標,発話指標の3つのチーム認知行動分析項目・指標を既に開発することができた.発話指標やプロセス指標はそれぞれ発話データや内省データ,ビデオからの行動データからの分析結果から得られた指標で分析手法がセットで開発できている.共有指標に関してはさらにシミュレーションを用いた分析手法の開発を進めている.
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Research Products
(7 results)