2010 Fiscal Year Annual Research Report
多次元モデルを用いた総合的なプロジェクトマネジメントの研究
Project/Area Number |
22710142
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
西原 理 大阪大学, 大学院・経済学研究科, 講師 (20456940)
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Keywords | ファイナンス / 金融工学 |
Research Abstract |
多次元の状態変数をもとにしたリアルオプションモデルを構築して分析を行った。1次元の状態変数をもとにした既存研究が多いが、多次元モデルを構築することで複数のプロジェクトの総合的なマネジメントという側面を明らかにすることができる。 本年度に行った「Real options with synergies:static versus dynamic policies」という研究では、複数のプロジェクトへ同時に投資すべきか個別に投資すべきかといち問題を分析した。複数のプロジェクトへの同時投資は、費用節減といったシナジーが期待できる一方、個別投資に比べて投資タイミングに関する柔軟性に欠ける。このトレードオフによって最適投資政策が決まることを明らかにした。さらに、投資マネジメントに関する2種類のスタイル(スタティックとダイナミック)の違いを分析し、リスクの相関が低いプロジェクトの場合、ダイナミックマネジメントの重要性が高まることを示した。この研究成果は、著名な国際査読付ジャーナルであるJournal of the Operational Research Societyに採択された。 これ以外にも、複数のプロジェクトがかかわるリアルオプションゲームの研究や、コーポレートファイナンスへの応用研究等多数の研究を行った。研究成果については、国内外の多数の学会で発表し、国際査読付ジャーナルに投稿して審査中である。
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Research Products
(4 results)