2010 Fiscal Year Annual Research Report
レヴィー過程の変動理論と信用リスク管理のためのアラームシステム構築
Project/Area Number |
22710143
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山崎 和俊 大阪大学, 金融・保険教育研究センター, 特任助教 (50554937)
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Keywords | 確率論 / リスクマネジメント |
Research Abstract |
レヴィー過程の変動理論の応用として平成22年度は4点の論文を執筆した。まず、"Precautionary Measures for Credit Risk Management in Jump Models"(江上雅彦氏との共著)では新BIS規制下での信用リスク管理のための先進的なアラームシステムの構築を行った。研究当初の目的を上回り、double exponential jump difffusion過程のみならず一般的な下向きジャンプをもつ(spectrally negative)レヴィー過程についても最適解を得た。次に"On Scale Functions of Spectrally Negative Levy Processes with Phase-type Jumps"(江上雅彦氏との共著)ではspectrally negativeなレヴィー過程において必要不可欠である尺度関数をphase-typeなジャンプを持つ場合について解き、一般的なspectrally negativeなレヴィー過程の尺度関数の近似法を提示した。さらにこの近似法を"Solving Optimal Dividend Probiems via Phase-type Fitting of Scale Functions"(江上雅彦氏との共著)で活用し、保険の分野における最適配当問題においての解の近似法をphase-typeなジャンプを持つレヴィー過程の尺度関数を用いて求めた。最後に"American Step-up and Step-down Credit Default Swaps under Levy Models"(T.Leung氏との共著)ではプロテクションの買い手または売り手がプレミアムとデフォルト時の支払い金額を変更できるCredit Default Swapを提案し、一般的なspectrally negativeなレヴィー過程について最適停止問題の最適解を解析的に求め、クレジットスプレッドを数値的に求めた。現在は当論文の拡張として買い手及び売り手が行使権を持つゲーム(Dynkin game)を考え、均衡点およびクレジットスプレッドを求めている。これらの論文から示されるように当初の計画を上回るペースで成果を挙げており、来年度以降も同様のペースでレヴィー過程の変動理論とその応用への研究成果が期待できる。
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Research Products
(13 results)