2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22710151
|
Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
川村 大伸 東京理科大学, 理工学部, 助教 (50548261)
|
Keywords | 統計的工程管理 / 管理図 / 工程能力指数 / 工程調節 / 品質管理 / 統計的制御 / 調節限界 / 実験計画法 |
Research Abstract |
化学プロセスにおいてしばしば観測される自己相関の存在は,従来の統計的工程管理手法の活用を困難にしている.本研究の目的は,自己相関が存在する工程において有効な統計的工程管理を提案することである. 今年度の研究成果は2つに大別できる.1つは統計的制御に関する研究である.自己相関が存在する工程では統計的制御が有効であり,制御を考慮した統計的工程管理を考える必要がある.調節コストが高い場合には,調節限界を用いた制御により,調節回数を減らすことでコスト低減が行なわれる,本研究では,工程能力に基づき調節限界を設定し,そのときの統計的制御を支援する,工程能力と統計的管理状態の同時モニタリング工程調節用管理図を提案した.また,調節限界が存在するときの最適な制御アルゴリズムの導出を試みた.さらに,管理特性の候補を決めるための,過飽和計画における新たな因子の割り付け方法も提案した.同時モニタリング工程調節用管理図はSpringer-Verlag社のFrontiers in Statistical Quality Control誌に掲載決定となっており,制御アルゴリズムは日本品質管理学会,過飽和計画はIIE Asian 2011 Conferenceにおいて発表を行なった. 2つ目は,多品種少量生産における管理図である.品種毎に層別することなしにモニタリングが可能となる管理特性として,品質特性と操作変数の比であるプロセスレートを提案した.また,プロセスレートで品種をまとめることができない状況を明らかにし,代替手段としてQ統計量に着目し,その有用性を検討した.プロセスレートについてはAsian Journal on Quality誌に掲載が決定しており,2011 Asian Conference of Management Science & ApplicationsにおいてQ統計量の研究発表を行なった.
|