2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22710152
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
古田 壮宏 東京理科大学, 工学部, 助教 (60453825)
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Keywords | オペレーションズ・リサーチ / 都市計画 / 最適配置 / 救急活動 / 消防防災ヘリコプター |
Research Abstract |
本研究は,ヘリコプターを利用した救急搬送に関して,都市計画およびオペレーションズ・リサーチの手法を用いて,ヘリポートなどのハードウェアの効果的な整備・運用場所を求める方法を構築する. 初年度の2010年度は,研究計画のうち,まず「1)現状分析」として,愛知県瀬戸市および東京都の救急出動に関する分析を行った.救急車と連携して搬送するヘリコプター救急では,ヘリコプターのみでなく救急車も重要な役割を担っており,救急車の運用状況に関する研究は不可欠である.そこで,愛知県瀬戸市を対象に救急車の配備場所および配備台数の変化が救急システムのサービスに与える影響を分析した.また,東京都23区の約40万件の年間救急出動データを分析し,それを基に救急車の再配備計画モデルを構築した.また,ヘリコプターの利用状況に関して各種文献調査を行った. 次に「2)ヘリコプターの待機場所とヘリポートの場所が現場到着時間・搬送時間などに与える影響の分析」として,それらの最適配置に関する効率性や公平性などの複数の指標による基礎的なモデルを構築した.公共サービスの一環である救急サービスを考える上で,公平性は重要な評価指標である.その一方で,ヘリコプターの利用には救急車と比較し多くのコストを要する.昨今の財政状況を考慮すると限られた資源の中で多くの成果を得るための効率性の追求も不可欠であり,この観点からの評価指標についても整理した.これらを基に,愛知県および関東の実際の人口および地理データを用いて分析を行い,それぞれのモデルによる配備および整備場所の違いおよびヘリコプターによるサービスを受けられる地域とその搬送時間などの分析を行った. 「3)ヘリコプターの配備およびヘリポートの配置の評価方法の確立」では,2)の結果を踏まえながら,より現実的な要素を考慮するためのモデルの改善を行い,その成果の一部を発表した.
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