2011 Fiscal Year Annual Research Report
ジャンプ拡散過程モデルによる金融派生商品の評価に関する研究
Project/Area Number |
22710154
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
鈴木 淳生 名城大学, 都市情報学部, 准教授 (60513702)
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Keywords | 数理ファイナンス / 金融工学 / オプション評価 / 確率モデル |
Research Abstract |
平成23年度は1件の雑誌論文(査読あり)および3件の学会・国際会議発表を行った.さらに専門図書を1冊出版した.これらの研究成果は大きく2つに分けることができる. 1. 有限満期のロシアンオプションの価格の評価を行った.買い手が権利を行使する閾値(最適行使境界)の解析的な性質を導いた.また売り手が権利をキャンセルする閾値を求めた.このような金融派生商品の価格評価を行ったことは実務上重要な意味をもつと考えられる. 2. 原資産価格が不連続な点をもつ場合のモデルを資金管理政策に関する問題に適用した.企業の突発的な資金の大量需給を考慮した資金管理政策に関するモデルを構築し,最適な政策を求めた.これによって,資金量を適切に管理することにより損失を減少させることができるため,社会的に重要な意義があると考えられる. 以上の研究成果は,1.については研究成果を日本オペレーションズ・リサーチ学会2012年春季研究発表会において発表した. 2.については,International Symposium on Operations Research & Its Applications 2011および日本オペレーションズ・リサーチ学会2012年春季研究発表会において発表を行い,論文がLecture Notes in Operations Research 14に掲載された.さらに研究成果を含んだ内容の図書「コーポレート・ファイナンス」を出版した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
これまでに査読付き論文を毎年発表している.また,海外を含む学会発表も毎年行っている.さらに平成23年度はミネルヴァ書房より「コーポレート・ファイナンス」を出版した. 以上より,当初の計画以上に進展していると考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度は最終年度である.そのため研究のまとめとして,2012年9月に京都大学数理解析研究所において開催されるRIMS研究集会「ファイナンスの数理解析とその応用」に参加し,研究成果の発表を行う.また,10月にアメリカで開催されるInstitute For Operations Research and the Management Sciencesに参加し,研究成果の公表を行う予定である.
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Research Products
(5 results)