2011 Fiscal Year Annual Research Report
耐久消費財の寿命分布の簡易推定方法の確立と寿命分布の国際比較分析
Project/Area Number |
22710156
|
Research Institution | National Institute for Environmental Studies |
Principal Investigator |
小口 正弘 独立行政法人国立環境研究所, 資源循環・廃棄物研究センター, 研究員 (20463630)
|
Keywords | 寿命分布 / 耐久消費財 / 自動車 / 電気・電子製品 / 国際比較 / データベース / 物質フロー分析 |
Research Abstract |
平成22年度に行った約20カ国についての自動車の寿命分布の推定を精査,修正した上で,分布形状パラメータの一般化を行った。国ごとに求めた分布形状パラメータ(2.1~4.3)の平均値3.5を一定値として全ての国に適用できると仮定し,残存率曲線の再フィッティングを行って平均使用年数を推定し直した。アメリカ,ベルギー,ブラジルを除けば,再推定した平均使用年数は元の平均使用年数とほぼ同様の値となり,残存率の近似曲線の形状もほとんど変わらず,フィッティングの決定係数も0.02程度低下しただけであった。これより,多くの国については,寿命分布の推定に置いて分布形状パラメータを実用上一定と見なしても差し支えないと考えられ,総保有台数と販売台数のみに基づいて寿命分布を推定することが可能であると考えられた。そこでこの結果に基づき,総保有台数と販売台数データに基づく各国の平均使用年数の時系列的な推定を行うとともに,推定した平均使用年数の国による差異について分析を行った。 また,中古輸入台数が無視できない国について,中古製品の輸入台数と製品年齢分布データから(新品としての)製造年別中古輸入台数を求め,国内新品販売台数に合算して補正する方法を提示した。また,中古貿易される自動車の製品年齢に関するヒアリング,詳細データの入手も行った。それらに基づいていくつかの国について中古輸入分を補正した自動車の製造年別販売台数データを作成し,使用中製品の製造年別台数と合わせて残存率を試算した。残存率曲線は2つの山を持つ形となり,新車と中古輸入車それぞれの分布関数の合成分布によって表現できるものの,1つの平均使用年数をパラメータとして表現することは難しかった。この点については,より詳細なデータの入手整備によって検討を深める必要があることがわかった。
|
Research Products
(3 results)