2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22710158
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
桑名 一徳 山形大学, 大学院・理工学研究科, 准教授 (30447429)
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Keywords | 爆発 / 火炎伝播 / CFD / フラクタル / 安全 |
Research Abstract |
本研究の目的である、計算負荷が小さく、爆発被害を正確に予測できる実用的な爆発シミュレータの開発を達成するために、漏洩拡散モジュールの開発、火炎伝播モジュールの開発、および、これらのモデルの妥当性の確認の各項目を実施した。 漏洩拡散モジュールに関しては、配管等から漏洩した可燃性液体が微粒化、蒸発して生じた可燃性気体が空気と混合し、爆発性の混合気が形成される過程を記述するモデルを検討した。具体的には、液滴が形成される様子をLagrange的に追跡するモデルについて検討した。このモデルでは、液滴の分裂や合一を考慮することができ、液体の表面張力などを物性値として用いる。 火炎伝播モジュールに関しては、CFDにおける計算格子間隔が大きい場合でも、火炎の不安定性による火炎伝播速度の上昇を予測できるモデルを検討した。具体的には、火炎のフラクタル次元を用いて火炎伝播挙動を記述するモデルを構築した。また、火炎伝播挙動の理論解析を実施し、フラクタル次元を求める方法について検討した。 さらに、これらのモデルによる予測結果を過去の実験データおよび本研究で実施した実験の結果と比較し、モデルの妥当性を検証した。漏洩拡散モジュールに関しては、漏洩した液体の微粒化挙動を表すモデルパラメータの値の決定方法について、実験データと比較しながら検討した。火炎伝播モジュールに関しては、火炎の不安定性による火炎伝播速度の加速現象をシミュレーションで再現できることを確認した。また、各種実験結果から求められた火炎のフラクタル次元を理論解析の結果と比較し、本研究で実施した理論解析で予測される火炎のフラクタル次元が実験結果と矛盾しないことを確認した。
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Research Products
(7 results)