2012 Fiscal Year Annual Research Report
高等教育機関における安全教育プログラムの体系化と効果測定
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22710162
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
太刀掛 俊之 大阪大学, 学生支援ステーション, 准教授 (90379222)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 安全教育 / 事故予防 / 危機管理 / 火災 |
Research Abstract |
本年度は,対象大学の過去4年間に収集された事故データについて分析を継続し、実験研究で扱われる化学物質が研究対象そのものではなく、作業過程のツールとして利用する際に事故発生数が多いことを明らかにした。この点は作業者個人が有するリスク認知に関連していると考えられる。また、保護具非着用の背景として集団レベルの要因が指摘されている知見と併せると、事故発生の背景には、個人から集団レベルに渡って広く要因が存在することが示唆された。 以上の要因を踏まえながら安全教育プログラムを実施し、エラーダイアリーを導入することで定量的な視点から教育効果の検証を試みた。全体で日常生活場面を含めて1,300件を越えるヒヤリハット・エラー事例が収集され、うち40件が実験研究に関わる報告事例であった。教育プログラムを全て受講した参加者に絞り、教育プログラム前後のヒヤリハット・エラー数を比較した結果、全体としては減少傾向にあったが、約4分の1の参加者は、前後で同数もしくは増加する結果となった。教育プログラムの受講による、ヒヤリハット・エラー事例が減少する効果と、参加者の気づきによる報告の増加が含まれており、これらのメカニズムと教育効果の定量的指標の関係性についてはさらに検討する必要がある。 教職員に対する質問紙調査では、学生自身が安全確保に対して,現状よりもさらに積極的に行うべきであるという回答の傾向が示されている。このことからも、事故予防に関する一般的な講義とワークショップ形式から構成される大人数に対応する安全教育のプロトタイプや参加者自らが実施できる評価方法を提供することは有意義である。また、実験研究における日常の安全指導はなお不可欠であり、研究室単位等の小集団における適用とその検証についても今後期待される。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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