2010 Fiscal Year Annual Research Report
火山活動度診断のための新しい熱流計測システムの開発
Project/Area Number |
22710171
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
寺田 暁彦 東京工業大学, 火山流体研究センター, 講師 (00374215)
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Keywords | 火山 / 噴気地 / 放熱量 / 火山ガス / 噴火 |
Research Abstract |
本研究で開発を進めている熱流計測装置の要であるセンサ部について検討を重ねた結果,ペルチェ素子が最適との結論に至った.また,想定される噴気地の熱流量と,バッテリーの容量に基づき,移動観測に用いるセンサのサイズを見積もった.この結果,センサは最大でも5cm×5cm程度で,これまでの氷を用いた観測で測定してきた測定面積と比較してやや小さい.すなわち,本測定は地表面熱的不均質の影響を受けやすいことが分かる.従って,より大きなセンサと大容量バッテリーとを組み合わせた据置きタイプと,小型で多点測定が可能な可搬型とを状況に応じて組み換えるシステムを構築することにした. ただし,ペルチェ素子だけでは,発熱側での十分な放熱性能を得ることが困難であり,これは,活発な噴気地では熱流量測定が難しいことを意味する.この対処策として,センサ上面に冷却ファンや水冷タンクの装着する,あるいは複数のペルチェ素子を重ねるなどの工夫を考えた. このように,センサ部の設計には細心の注意が必要である.そこで,まず,データ記録装置を整備した.本装置は8チャンネルの他項目同時測定が可能であり,熱流量を知るために必要な電流・電圧などの値を任意の時間間隔で測定できる.さらに,通信装置を別途準備することで,観測データのテレメータ化が可能となる.現実の観測では,余剰の5チャンネルを利用して気象観測を同時に行なうことで,観測された熱流変化から気象要因を評価できる.そのため,火山ガスによる腐食に対して耐性の高い,超音波風速計などの気象観測装置も整備した.
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