2012 Fiscal Year Annual Research Report
火山活動度診断のための新しい熱流計測システムの開発
Project/Area Number |
22710171
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
寺田 暁彦 東京工業大学, 火山流体研究センター, 講師 (00374215)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 火山 / 噴気地 / 熱流量 / 火山ガス |
Research Abstract |
本年度はR素子からなるセンサ部に,熱流量を計算するために必要な高精度の直流電力計,および2つの温度センサを組み合わせた装置全体を制作した. 前年度からの課題であったシステムの冷却には,軽量で野外での観測に適した空冷式を採用した.室内実験の結果,現実の噴気地の熱流量においても使用可能な冷却性能を実現できることが分かった.ここで,空冷の際にシステム外へと失われる熱量が測定に与える影響が懸念されていた.この問題については,2台の温度センサで実測した値と,あらかじめ計測した平均流量に基づいて補正することで,妥当な値を得ることができた.また,電力計に温度測定チャンネルを組み込むことで,装置の省スペース化を図った.データは外部メモリに記録され,現地回収する仕組みである.システムを組みなおすことで,無線LANなどを用いて記録をテレメータすることも可能である. ただし,現構成であっても,装置全体の重量が10kgを超えること,防水性能や耐腐食性火山ガス性能が今後の課題として残されている.重量の大半は,R素子の制御系が占める.本装置は実験的装置という位置づけのため,制御系は既存品を流用してコストダウンを図っている.しかし,AC100V仕様であるなどの無駄もある.今後,機能を限定した装置を制作することで,観測システムの軽量化を実現させる. 装置軽量化を見越して,腐食性火山ガス成分に乏しい箱根火山大涌谷をテストフィールドに選び,氷を用いた熱流計測定点を設置した.また,ほぼ同時期に,軽飛行機に赤外カメラを搭載して,上空から地表面温度分布を計測した.その結果,2013年1月の群発地震に先行する地表面温度の変化を捉えている.本装置を用いた連続観測が実現すれば,空中赤外観測と合わせて,火山ガス放出量の変化を定量的に示すことができるだろう.
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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