2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22710177
|
Research Institution | Nagaoka Institute of Design |
Principal Investigator |
澤田 雅浩 長岡造形大学, 造形学部, 准教授 (00329343)
|
Keywords | 震災復興 / 生活再建 / 地域の持続性 / 支援方策 / 新潟県中越地震 / 東日本大震災 |
Research Abstract |
H23年度は平成23年3月11日に発生した東日本大震災の被災地で実践的な調査及び実践を行った.中越地震を始め,北海道南西沖地震や雲仙普賢岳噴火災害の復興状況調査とそこから得られた知見を元に,甚大かつ面的被害を受けた津波浸水被災地において,復興ビジョン,復興計画の策定に直接関与した.岩手県大船渡市では,市の復興計画策定委員会に参画しつつ,行政担当者や委員会委員に対して将来を見据えた復興計画の重要性を提示し,ビジョンの位置づけを共有した.また,福島県双葉郡楢葉町においても復興計画検討委員会に参画し,長期化する被災者の避難生活および原子力発電所の事故に伴う汚染地域での生活再建にたいして,従来は危険回避もしくはその制度を運用することで条件有利地への移転を促してきた集団移転事業等の地域再建手法だけでなく,一時的に自治体の外に地域住民が支え合って生活ができる環境の構築を提案し,それを計画に盛り込むこととなった. 実際に震災以降沿岸部の被災地を中心に人口流出に伴う地域人口の縮小傾向が加速している.復興計画を策定,それにもとづく事業の推進をする場合,そのことを前提とした上で,暮らしの豊かさを持続的なものとできるような施策の展開が重要であり,それは直接的な被害に対する防災対策の改良復旧にとどまらないことを,具体的に大船渡市末崎地区における住民との協働の場などで議論,計画策定支援を行っている.前年度までに得られた成果を具体的な実践へ展開し,その有効性を実際に一定程度確認できたことは今後の研究発展が期待されるものとなった. さらには,学会発表等を通じ,東日本大震災被災地における復興のあり方等について,他の専門家等々の議論を深めている.
|