2010 Fiscal Year Annual Research Report
出芽酵母の転写単位確定とノンコーディングRNA発現の全貌把握
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22710182
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
三浦 史仁 東京大学, 大学院・理学系研究科(理学部), 特任助教 (50447348)
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Keywords | 転写開始点 / 転写終結点 / 出芽酵母 / トランスクリプトーム / 対数増殖期 / 胞子形成 / 減数分裂 / トランスクリプトーム |
Research Abstract |
出芽酵母の対数増殖期の細胞と減数分裂誘導後12時間まで2時間毎に採取した細胞を用い、転写物の5'末端と3'末端配列を同時に決定するとともに、MNase-Seq法にてヌクレオソーム配置状態を決定することを試みた。転写物の5'末端と3'末端の同時配列決定には平成19年度科研費にて独自に開発してきた Cloning-free GIS法を用いることにした。パイロット実験で成功した出芽酵母の減数分裂誘導の効率が予想以上に低く、十分なtotal RNAを確保できなかったため、培養条件の検討を行う・とともに鋳型調製技術の高感度化を試みた。出芽酵母細胞株を供給機関から再度取り寄せて減数分裂誘導を図ったところ高効率な胞子形成が確認されたことから、胞子形成誘導効率低下の主な原因は使用した株の変性によるものと結論付けられた。この結論に至るまでに半年以上の時間を費やしてしまったが、その間Cloning-free GIS法の高感度化をはかり、従来20μ9程度のtotal RNAが必要だったプロトコールを1μgで実験開始可能なものへと進化させることができた。調製されたCloning-free GIS法とMNase-Seq法の鋳型は、文科省新学術領域研究「ゲノム支援」の支援のもと、ABI SOLiD4を用いて読み出しを試みたが、不幸にもラン途中の事故等があり、十分な質を有する配列データを得ることができなかった。その後、所属する研究室に別経費で措置されたIllumina MiSeqシークエンサーが導入されたため、これを用いて配列の決定を行うことができた。現在、得られた配列の解析を進めると同時に出芽酵母においてこれまで存在しなかった転写ユニットの正確な転写範囲を格納したデータベースの作成を進めている。
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