2010 Fiscal Year Annual Research Report
挿入的クロマチン免疫沈降法(iChIP法)を用いた転写伸長一時停止機構の解明
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22710185
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
藤田 敏次 大阪大学, 微生物病研究所, 助教 (10550030)
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Keywords | c-fos / 転写 / iChIP |
Research Abstract |
本研究では、転写伸長一時停止機構の分子機構の全容解明を目的とし、転写伸長一時停止機構に関与する分子(蛋白質・DNA・RNA)を、挿入的クロマチン免疫沈降法(inserdonal chromatin immumoprecipitation:iCHP)を用いて網羅的に同定・解析する。iChIP法を用いることで、生体内でのクロマチン構造を維持したまま転写伸長一時停止が行われているゲノム領域を単離し、解析することができる。具体的には、c-fos遺伝子をモデルとし、(1)細菌のDNA結合蛋白であるLexAの結合配列を転写伸長一時停止部位近傍に相同組換えを用いて挿入し、(2)タグを付けたLexAのDNA結合ドメインを上記細胞へ発現させ、(3)坑タグ抗体を用いてクロマチン免疫沈降を行うことで、転写伸長一時停止領域を特異的に単離する。 本年度は、まず、c-fos遺伝子上の転写伸長一時停止部位近傍にLexA結合配列を挿入するためのベクターを作成した。次に、相同組換え効率が高いことが知られているニワトリDT40細胞を用い、相同組換えを用いたLexA結合配列の目的部位への挿入を行った。薬剤選択の結果、30クローンが得られ、PCRによる解析の結果、2クローンのDT40細胞において、相同組換えによるLexA結合配列の挿入が確認できた。現在、PCRで得られた結果が信頼できる結果であるかどうか検証するため、サザンプロットによる相同組換えの確認を行っているところである。今後、相同組換えが確認できた細胞株を用いてiChIPを行い、c-fos遺伝子上の転写伸長一時停止部位近傍を単離・解析する。
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