2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22710192
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
鈴木 仁 北陸先端科学技術大学院大学, ナノマテリアルテクノロジーセンター, 助教 (00447690)
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Keywords | RNA / スプライシング / 疾患関連遺伝子 / エキソンスキップ治療 |
Research Abstract |
デュシェンヌ型筋ジストロフィー症では、エキソンスキップ療法の有効性が検証されつつある。エキソンスキップ療法は、スプライシング機構の知見に基づくものであり、DMD遺伝子など疾患原因遺伝子の個別のスプライシング機構の検証は非常に重要である。我々は、個別の遺伝子についてイントロン産物の検出を行い、RNaseRによるイントロン性RNAの調製手法を確立した。これまでに、こうしたRNAプールに含まれるイントロンRNAの検出を行い、様々な未知のイントロン由来産物を検出している。本研究は、DMD遺伝子のイントロンにおいて、新たなイントロンRNA由来産物を検出した。この新規イントロン由来産物は、従来のブランチとは全く異なる部位で連続した配列を有しており、新規のスプライシング機構を示唆する。本年度の解析により、この新規イントロンRNA由来産物は、骨格筋を含めた様々な組織由来のtotal RNAから検出されることが明らかとなった。DMD遺伝子以外のハウスキーピング遺伝子でも、同様な新規イントロン由来産物が検出されることから、この新規のスプライシング機構が普遍的な機構であると示唆される。加えて、イントロン性RNAのタイリングアレイ解析の結果を精査した所、イントロンRNAを示唆するシグナルに加えて、第1エキソン近傍由来のRNA産物が多くの遺伝子で検出された。第1エキソン部分は、基本的にRNaseRにより分解されており、mRNAとは異なるRNase R耐性RNAが濃縮されたと考えられる。これらのRNAは、スプライシングを含めた転写後制御の動的側面を示すものであり、非常に重要な情報を有すると思われる。
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Research Products
(3 results)