2010 Fiscal Year Annual Research Report
パーキンソン病原因遺伝子の尿酸代謝系における役割の解析
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22710195
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Research Institution | Meiji Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
天竺桂 弘子 明治薬科大学, 薬学部, 助教 (80434190)
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Keywords | カイコ / パーキンソン病 / DJ-1 / 抗酸化 / NO / 尿酸代謝 |
Research Abstract |
DJ-1の機能損失は、神経変性疾患発症の引き金になることが報告されているが、病態進行におけるその役割は未解明なままである。本研究は哺乳動物モデル系では見出せなかったDJ-1の尿酸代謝系における役割を、カイコモデル系を用いた解析により明らかにすることを目的とし、DJ-1の機能を損失した変異体カイコを用いてDJ-1の機能解析を行った。その過程において、カイコDJ-1(BmDJ-1)は(1)カイコ発生ステージおよび5齢幼虫から成虫期間の主要な組織におけるBmDJ-1の発現をウエスタンブロティングで検討したところBmDJ-1の発現が日毎に変動すること、(2)Rotenoneによる酸化ストレスに対し、哺乳類と同様に抗酸化作用を持つこと、(3)BmDJ-1は、NO供与剤ISDN添加により酸化され、発現量が増加することを見出した。BmDJ-1は、カイコの発育に関連して発現量の増減を繰り返し、NOによる酸化ストレス負荷でも誘導された。NOはカイコにおいて生理的機能遂行に関与していることが報告されており、BmDJ-1はNOによる酸化ストレスの負のフィードバック制御に関与している可能性がある。本研究成果は、PLoS ONEに投稿した(Tabunoki H et al. PLoS ONE 2011)。次にDJ-1の機能が損失し、尿酸代謝系に異常のあるカイコ変異体と正常カイコの遺伝子発現差異をDNAマイクロアレイを用いて解析を行った。現在データの解析を継続している。
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Research Products
(2 results)