2011 Fiscal Year Annual Research Report
体系的RNAiによるES細胞から始原生殖細胞への分化に関わる遺伝子群の探索
Project/Area Number |
22710197
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
前田 郁麻 東北大学, 加齢医学研究所, 助教 (20376560)
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Keywords | 生殖細胞 / ゲノム / 発生分化 / ES細胞 |
Research Abstract |
これまでに、機能を阻害するとマウスES細胞が始原生殖細胞へと分化する可能性のある遺伝子を、RNAiスクリーニングにより5つ発見していた。それらの中でもっともはっきりとした効果を示した遺伝子はMaxという転写因子をコードする遺伝子であり、この遺伝子について詳しい解析を行った。DNAマイクロアレイにより、Maxをknockdown (KD)したES細胞のトランスクリプトーム解析を行ったところ、Max KD ES細胞で発現の上昇を見せた遺伝子群には、ノックアウトマウスの解析により精子形成や減数分裂特異的に異常を示すことが知られている遺伝子が多く含まれていた。また、発現上昇を見せた遺伝子群のGene Ontology (GO)解析を行った結果、生殖細胞関連のGOが選択的に有意に濃縮されていることが分かった。さらに、マウス胚の始原生殖細胞のトランスクリプトームと比較を行った結果、未分化ES細胞に対して共通して発現上昇をみせる遺伝子群においてのみ、生殖細胞関連のGOが選択的に有意に濃縮されていることが分かった。このことから、MaxはES細胞内で生殖系列関連遺伝群の発現を網羅的に抑えている可能性が示唆された。また、MaxがES細胞内で生殖系列関連遺伝群の発現を抑える仕組みを明らかにするために、未分化ES細胞においてMaxと相互作用するタンパク質を免疫沈降によって解析した。さらに、クロマチン免疫沈降によって、Maxは生殖細胞関連の遺伝子群を直接発現抑制する可能性を示した。
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