2010 Fiscal Year Annual Research Report
抗生物質生成菌と光合成細菌の転写関連データベースの構築とその応用
Project/Area Number |
22710199
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
蒔田 由布子 独立行政法人理化学研究所, 生命情報基盤研究部門, 研究員 (80443026)
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Keywords | 放線菌 / 転写制御 / データベース / マニュアルアノテーション / 文献抽出 / 光合成細菌 / Streptomyces / Synecocystis |
Research Abstract |
近年、バクテリアの転写ネットワーク解析により、転写制御因子の進化速度が他のタンパク質に比べ速く、近縁種においてもその制御関係が保存されていないということが明らかになった。これは現在までのように、大腸菌や枯草菌といった一部のモデル微生物に注目した転写制御に関する文献データ抽出型データベースだけでは、多様な微生物のモデルとして不十分であることを示し、より多くのモデル生物種で同様のデータベース(DB)を構築する必要が示唆された。そこで本研究では特出すべき特性を持つ、抗生物質生産菌の放線菌と光合成細菌の藍藻に着目し、それらの転写制御ネットワークのDBの構築を行い、さらに収集した転写制御情報に基づき、抗生物質生産や光合成による有機物(バイオマス)の増産への応用を目的とした。研究初年度は、マニュアルキュレーションによる転写制御情報の抽出を中心に進めた。まず放線菌においては対象生物を放線菌15種に広げ、データサイズを2倍以上(転写因子数152、被制御遺伝子数458、転写開始点数325、文献数299)に拡張した。これにより対象ユーザを広めると共に、比較ゲノム解析の基礎となるデータ構築が行えた。またこれらのデータの配布においては、現在すすめている論文が発表され次第、タブ区切りや、セマンティック・ウェブに準拠したデータフォーマットなど、多様な形式でデータ一括配布を行う準備を終えた。また各データの閲覧においてはhttp://dbscr.hgc.jpより公開し、放線菌近縁種における転写制御データの比較・閲覧に有用な情報を公開している。また光合成細菌のSynechocystisにおいてもデータ収集を進め、170文献から50転写因子が1090被制御因子を制御するデータを抽出した。今後は放線菌同様にDB構築も進める。
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Research Products
(2 results)