2011 Fiscal Year Annual Research Report
抗生物質生成菌と光合成細菌の転写関連データベースの構築とその応用
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22710199
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
蒔田 由布子 独立行政法人理化学研究所, 生命情報基盤研究部門, 研究員 (80443026)
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Keywords | 放線菌 / 転写制御 / データベース / マニュアルアノテーション / 文献抽出 / 光合成細菌 / Streptomyces / Synecocystis |
Research Abstract |
近年のバクテリアの転写ネットワーク解析により、転写制御因子の進化速度が他のタンパク質に比べ速く、近縁種においてもその制御関係が保存されていないということが明らかになった。これは現在までのように、大腸菌や枯草菌といった一部のモデル微生物に注目した転写制御に関する文献データ抽出型データベースだけでは、多様な微生物のモデルとして不十分であることを示し、より多くのモデル生物種で同様のデータベース(DB)を構築する必要が示唆された。そこで本研究では特出すべき特性を持つ、抗生物質生産菌の放線菌と光合成細菌の藍藻に着目し、それらの転写制御ネットウークのDBの構築を行い、さらに収集した転写制御情報に基づき、抗生物質生産や光合成による有機物(バイオマス)の増産への応用を目的とした。平成23年度は、昨年度マニュアルキュレーションにより収集した転写制御情報の確認作業と、さらなるデータの更新、また光合成細菌のSynechocystisにおけるデータ公開準備を進めた。その結果、精査されたデータ数は176文献から52転写因子が1093被制御因子を制御するデータを精査した。さらに今年度は、転写因子・シグマ因子の認識する195配列の収集も行ったので、それらのモチーフ抽出作業を進め、光合成細菌における転写因子のモチーフを決定した。データベースの作成においては、非公開での準備を進めた。最終年度となる次年度には公開する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請書の記載通り、一年目の目標は達成した。二年目となる本年度は、最終年度となる予定であったが、7月より産休を取得したため、産前産後の休暇、かつ、育児休業の取得に伴い、研究期間の延長を申請し、受理された。 産前休暇に入る前の3ヶ月間においては、予定通りデータの収集・確認作業、さらにデータベース化への準備を完了することができた。 期間の延長はあるが、本研究の進捗状況においては、申請書の予定通りに進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
研究再開となる来年度4月より、引き続きデータベースの公開、論文化を行う。 マニュアルアノテーションによるデータの収集においては、本年度中に完了しているため、来年度は、藍藻の転写関連データベースの公開、そのための論文化を中心に進める予定である。
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