2011 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロRNAの発現量を制御する特殊環状ペプチド創薬
Project/Area Number |
22710210
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
加藤 敬行 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教 (90567760)
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Keywords | ケミカルバイオロジー / マイクロRNA / 特殊ペプチド / mRNAディスプレイ / FITシステム / 遺伝暗号リプログラミング / 分子標的医薬 / ペプチド医薬 |
Research Abstract |
平成23年度においては、前年度に引き続きヒトmiR-21前駆体を標的として特異的に結合する特殊環状ペプチド(非天然アミノ酸を含む環状ペプチド)のセレクションをRaPIDディスプレイ法を用いて行った。前年度までの課題点として、ターゲットとなるmiRNA前駆体に対してペプチド自体ではなくペプチドの鋳型となるcDNAがmiRNA前駆体と相補的な配列を持つ部分を介して結合してしまうという問題があったため、これを解決するために特殊ペプチドライブラリの改良を図った。具体的には、ペプチド鎖中にビオチン残基やFLAGタグ配列を挿入し、標的miRNAに対するセレクション後にビオチンやFLAGを介した精製を行うことで実際に翻訳されたペプチド鎖とそれをコードするcDNAのみを回収できるように改善した。さらに、ペプチド鎖中にエンドプロテイナーゼであるGlu-Cによる切断サイトを導入し、標的miRNAからのcDNAの溶出の際にGlu-Cを加えてペプチドを切断させることにより標的に直接結合したcDNAを排除し、ペプチドを介した標的への結合のみを増幅できるように改良を行った。その結果、核酸同士の相互作用によるセレクションの阻害を抑制することができた。 これまでに、FLAG配列とGlu-C切断サイトを有する特殊ペプチドライブラリからmiR-21前駆体に結合するペプチド配列を得ることに成功したため、現在それらのペプチド配列の標的miRNA前駆体特異性や結合力の評価を開始した状況である。in vitroでの標的への結合の評価が出来次第、培養細胞を用いたin vivoでの活性の評価に移る予定である。
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Research Products
(10 results)
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[Journal Article]2011
Author(s)
山口淳, 加藤敬行, 菅裕明
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Journal Title
Drug Delivery System
Volume: 26
Pages: 584-592
DOI
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