2010 Fiscal Year Annual Research Report
野生菌食動物におけるキノコ毒誘導遺伝子群の網羅的探索
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22710212
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| Research Institution | Yokohama National University |
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Principal Investigator |
中森 泰三 横浜国立大学, 環境情報研究院, 講師 (50443081)
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| Keywords | 遺伝子 / 菌類 / 生態学 / 動物 |
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| Research Abstract |
キノコは様々な毒性物質を産するが,その毒性物質が生物間相互作用においてどのような働きをしているかほとんど明らかにされていない.キノコ毒の自然界における働きを解明するためには,菌食動物への影響の解析が不可欠である.そこで本年度はまずキノコ毒経口暴露に対する菌食動物の生存と繁殖の感受性を明らかにすることを目的とした.代表的な2種のキノコ毒(イボテン酸とα-アマニチン)を段階的に異なる濃度で人工餌に添加し,キノコ食性トビムシ(Ceratophysella denticulata)の生存率と産卵数への影響を調べた.また,トビムシ種間の感受性を比較するために土壌性トビムシ(Foslomia candida)を用いて同様の実験を行った.毒性を比較するためポジティブコントロールとしてカドミウムを用いた.その結果,カドミウムにより両トビムシ種の産卵数が減少したが,天然にみられる濃度のイボテン酸では土壌性種の産卵数は著しく減少したものの,キノコ食性種の産卵数に影響はみられなかった.一方,天然にみられる濃度のα-アマニチンでは両種ともに産卵数の減少はみられなかった.生存率には全ての場合において影響がみられなかった.これらの結果から,天然濃度でのイボテン酸は動物に対して有害であるが,キノコ食性トビムシはそれに対しなんらかの耐性あるいは抵抗性を有していると考えられた.本研究の成果ばキノコ毒が生物の餌選択や適応進化に及す影響を解明するための基礎となる.
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Research Products
(1 results)
