2010 Fiscal Year Annual Research Report
光反応性アミノ酸を利用した生理活性低分子化合物の標的タンパク質同定法の開発
Project/Area Number |
22710227
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Research Institution | Microbial Chemistry Research Foundation |
Principal Investigator |
中栄 功一 (財)微生物化学研究会, 微生物化学研究所生物活性研究部, 研究員 (20390776)
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Keywords | ケミカルバイオロジー |
Research Abstract |
本研究の目的は生理活性低分子化合物の標的分子同定研究法の開発であり、既存の研究法に加え新たな選択肢の一つを開発することにある。当該年度は同研究法開発に有用なツールとなる新規生理活性低分子化合物の調製、続けて検出用官能基を付加した生理活性低分子化合物の調製を行った。一方、光反応性アミノ酸を細胞に処理し、細胞の蛋白質構成成分であるアミノ酸のラベル化、UV励起によってクロスリンク反応を行う各種条件検討を行った。 具体的には生理活性脂質であるプロスタグランジンE_2の細胞からの放出を阻害する化合物として申請者等が近年微生物二次代謝産物より見い出した新規生理活性物質、プロンコジンAの単離精製、および精製したプロンコジンAのビオチン誘導体化、また同じく申請者らが見い出した14員環マクロライドであるマイグラスタチンのグルタルイミド部位ビオチン化誘導体調製を行った。ビオチン基はストレプトアビジンと強いアフィニティがあることから検出用官能基として選択した。ストレプトアビジンビーズを用いれば、ストレプトアビジンビーズ、ビオチン化低分子化合物及び標的蛋白質の複合体を回収することが可能となり、その回収物をLC/MS/MSにより解析すれば得られた蛋白質の同定を行うことができる。また光反応性アミノ酸としてジアジリン基が導入されている光反応性ロイシン、光反応性メチオニンをヒト滑膜肉種細胞SW982細胞に取り込ませ、ビオチン化低分子化合物を処理した後、365nm光照射によりビオチン化低分子化合物と標的蛋白質のクロスリンクによる検出を開始し、光反応性アミノ酸の細胞への処理濃度、時間等の条件検討を行った。
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