2012 Fiscal Year Annual Research Report
動的レジーム理論に基づく植生管理のための生態学的研究:浅い湖沼を対象として
Project/Area Number |
22710232
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
西廣 淳 東京大学, 農学生命科学研究科, 助教 (60334330)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 生態系管理 / 湖沼 / 植生 / 浮葉植物 / 抽水植物 / 種多様性 |
Research Abstract |
全国の主要な湖沼の植生変化を文献記録等に基づきレビューした結果、1980年代後半まではアオコの発生が問題になっていたものの、近年アオコの発生が減少し、代わって浮葉植物であるヒシ属植物が優占する状態にレジームシフトした湖沼として、印旛沼、三方湖、湖山池が認められた。また沈水植物が優占する状態からヒシが優占する状態にレジームシフトした湖沼としては、達古武沼、シラルトロ湖が認められた。これらの湖沼に共通する特徴として、富栄養化が進んでいること、水深が2m未満と浅い部分が大半を占めること、淡水であることが見出された。また印旛沼、三方湖、シラルトロ湖では、定量的なデータはないものの、聞き取り情報や現地調査から、底質のヘドロ化や細砂の堆積が進行している可能性が示唆された。浮葉植物による高密度な群落形成は、大量の枯死体の堆積などを通して、底質のヘドロ化を促進する可能性がある。また底質がヘドロ化した湖沼の低層付近は、光条件が悪く、貧酸素化しやすいため、沈水植物を含む多くの植物の発芽・定着には不敵な環境となることが予測されるが、種子のバイオマスが顕著に大きいヒシ類は、そのような場所でも発芽・定着可能なストレス耐性戦略種である可能性がある。このように、ヒシ類の繁茂はヒシ類以外が生育しにくい環境の創成(正のフィードバック)を通して、一つの安定相(レジーム)を形成する可能性が示唆された。ただし、この仮説の検証のためには、定量的な評価や、モデルの構築・検証実験が必要であり、今後の課題である。 上記研究と並行し、霞ヶ浦湖岸の抽水植物帯において、種多様性の維持機構における植物種間のファシリテーションの重要性を証明する野外調査・検証実験を行った。この研究では、適度な人為攪乱(刈り取りや火入れ)が、ファシリテーター植物種の生育を促進し、種多様性の高いレジームの維持に間接的に寄与することが示された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(16 results)
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[Presentation] Biodiversity monitoring in inland waters from satellite remote sensing -mapping impervious surface areas and macrophyte distribution.2012
Author(s)
Oyama, Y., Yang, F., Matsushita, B., Fukushima, T., Nishihiro, J. and Takamura, N.
Organizer
The 5th GEOSS Asia-Pacific Symposium.
Place of Presentation
Tokyo, Japan
Year and Date
20120402-20120404
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