2011 Fiscal Year Annual Research Report
地域研究を基盤としたアフリカ型の灌漑稲作支援のための新しい方法の創出
Project/Area Number |
22710245
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
山根 裕子 名古屋大学, 農学国際教育協力研究センター, 研究員 (70528992)
|
Keywords | 実態把握 / NIB / アウトグローワー / 栽培歴 |
Research Abstract |
2010年11月、2011年2月、7月、12月に実態把握のための予備調査を行った。最初の調査において、ケニアの政府機関であるNational Irrigation Board(NIB)と呼ばれる灌漑稲作地域の周辺にアウトグローワーと呼ばれる稲作地域が点在していることが分かった。しかし、具体的な場所や数、面積はわからなかった。また、2010年11月の渡航の際に観察した稲の生育状態は場所や田んぼによってばらばらで、どのような栽培歴で稲が栽培されているのかすら把握することが困難であった。そこで、2011年2月の農家に栽培歴や、稲作に関する問題点などを聞き取った。また、アウトグローワーと呼ばれる稲作地域が少なくとも7か所あることを確認した。多くの農家が稲作を始める7月に再び渡航し、各アウトグローワーとNIBの稲作地域において稲作開始前と開始後の田んぼの様子や田起こしや代掻き、田植えなどのやり方を観察し、どのような手順で稲を栽培しているのかや各稲作地域の違いなどを観察した。12月は多くの稲作地域で収穫期に当たる時期であったので、収穫時期の実際の作業手順ややり方を参与観察した。また、稲作地域によっては、まだ、出穂時期やそれ以前の生育ステージにある稲もみられたので、除草の仕方などについても観察を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
先行研究がほとんどなく、事前に情報を得ることが難しいこともあり、当初の想定より対象とする稲作地域が多いことが判明した。また、稲作がおこなわれる時期が地域によって大きく異なっており、場所ごとの特徴や稲作に関する作業工程を把握し、適切な問題把握のための基礎情報の収集の身で終わっている段階にある。したがって、本調査を行うための予算が必要である。
|
Strategy for Future Research Activity |
想定している稲作地域の範囲に研究開始当初は想定していなかったほど多くの稲作地域が点在していることが明らかになり、一昨年及び昨年にかけて行った予備調査を行い、調査範囲内に分布する稲作地域の稲作の実態(栽培歴及び作業工程)を把握した。そこで、地域内に分布するそれぞれの稲作地域の稲作に関する情報収集を量的に行うため、ベースラインサーベイをNIB管轄下の灌漑稲作地域とその周辺に拡がるアウトグローワーに対して行い、対象地域全体における稲作の実態と問題点の抽出を行う。
|