2012 Fiscal Year Annual Research Report
東南アジア産アナツバメ類の持続可能性に関する景観生態学的研究
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22710251
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
藤田 素子 京都大学, 東南アジア研究所, 研究員 (50456828)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 資源管理 / 景観生態 / 食性解析 |
Research Abstract |
東南アジアの重要な産業であるアナツバメの巣を持続的に利用していくためには,鳥の生態を知る必要がある.本研究では,東南アジア地域の重要な産業基盤であるアナツバメ類の巣の持続的な利用を最終的な目的として,土地利用と採餌特性の関係を明らかにすることを目標とした.特に,都市部・田園地帯の個体群において,採餌する餌の構成比の違いと,餌を採餌した土地利用環境に着目した.対象種は,最も経済的価値が高いジャワアナツバメ(Aerodramus fuciphagus fuciphagus)とした.本研究ではマレーシア・サラワク州を中心として,東南アジア地域における土地利用とアナツバメの生態に関する研究を行った. 現地調査はKuchingとBintuluの2つの地域で,アナツバメの巣を養殖するための人工的なハウスにおいて,アナツバメの糞およびハウス周辺の代表的な土地利用において植物の葉のサンプリングを行った.糞は実体顕微鏡を用いて比較的粉砕されずに残っている昆虫の頭部のみをより分け,目レベルまでの同定を行った.糞のなかに含まれる昆虫の頭部の5割以上は膜翅目であったが,都市部では双翅目もみられ,食性の違いが示唆された.また,糞と植物の安定同位体比δ13Cおよびδ15Nの測定を行った解析からは,都市部のツバメ糞の炭素同位体比が田園地帯の糞よりも高いことが明らかになった.Bintulu地域では,比較的高い炭素同位体比をもつマングローブ林などで採餌している可能性が示唆され,アナツバメがマングローブ林や泥炭湿地で頻繁に観察されることからも,沿岸地域が採餌環境として重要であることが推測された.今後はさらに多くの植生において,植物・昆虫のサンプリングなどを行い,より精度の高い分析を行っていく必要がある.
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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