2011 Fiscal Year Annual Research Report
英語圏アフリカ地域におけるアフリカ正教会の活動とその発展
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22710255
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
荒木 圭子 東海大学, 教養学部, 准教授 (00512633)
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Keywords | アフリカン・ディアスポラ / アフリカ / 独立教会 |
Research Abstract |
今年度は、資料収集、資料整理と精読、経過発表を行った。 資料収集に関しては、当初ウガンダとケニアで行う予定であったが、その前にアメリカ合衆国のエモリー大学ビッツ神学図書館に所蔵されているAfrican Orthodox Church Archivesで取り残していた分の資料を収集することとした。その理由は、アフリカ正教会の波及において、アメリカ合衆国とアフリカ各地を結びつける要の役割を担っていたアレクザンダーの残した資料をまず全体的に精査した方が研究上、効率的だと考えたためである。2012年3月の約1週間の滞在で、同図書館に所蔵されている全ての資料を入手することができた。ほかに、カリフォルニア大学図書館とニューヨーク市立図書館においても当時の黒人運動に関する資料を収集した。 資料整理と精読に関しては、新たに入手した資料を含め、現在なお進行中である。 経過発表に関しては、4月に開催された「アフリカ系アメリカ人コミュニティ形成史研究会」の第8回会合と、5,月に開催されたアフリカ学会第48回学術大会において報告を行った。前者ではアメリカ合衆国、後者ではアフリカに重点を置いた報告および意見交換を行い、どちらの機会も報告者の知見の足りない部分を補う助けとなった。 今年度の活動で特筆すべきなのは、7月にメリーランド州で5日間にわたって開催されたアフリカ正教会の設立90周年記念教会会議に出席したことである。精読している資料とは時代は大きく異なるものの、会議の進め方や役職のあり方など大いに参考にすることができた。また参加者にもインタビューを行い、同教会についての理解を深める貴重な機会となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
アレクザンダーの残した資料が膨大であったことと、それ以外の関連資料も散在していることから、資料の整理と精読に時間がかかっているため。
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Strategy for Future Research Activity |
アフリカ正教会がアフリカ各地に波及する際にアメリカ合衆国との接点となり全体の要でもあった南アフリカのアレクザンダーの役割が非常に大きく重要であることから、アレクザンダーの個人的資質を掘り下げる研究が必要であると考える。しかし、アレクザンダー個人の情報は資料のなかで限定的である。入手した資料の精読を進めるほか、当時の南アフリカにおけるカラードの政治やアイデンティティ問題などについても考察を進める。
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