2010 Fiscal Year Annual Research Report
ヘーゲル及びドイツ観念論における生命概念研究-現代社会における倫理問題の礎として
Project/Area Number |
22720002
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
山田 有希子 宇都宮大学, 教育学部, 准教授 (90344910)
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Keywords | 生命倫理 / 治験 / 死生学 / ヘーゲル / 哲学 / 倫理 / ドイツ観念論 |
Research Abstract |
1 基礎文献研究:本研究は、ヘーゲルおよびドイツ観念論哲学にかかわる以下のような基礎的な文献研究が中心になる。(1)論文発表「ヘーゲル論理学における「矛盾」の概念とカントのアンチノミー論批判」(日本ヘーゲル学会 第12回 研究発表大会 10年12月) 研究概要:ヘーゲルはカントの「アンチノミー」に「無限の功績」を認めている。ただし、その高評価は、あくまでアンチノミー問題の「発見」に向けてのものであり、その「解決」ついては手厳しい。アンチノミーの問題がヘーゲルの矛盾の概念に深くかかわるのは周知のとおりであるが、ヘーゲル研究においては、ヘーゲルとカントとのいわば外在的な形而上学的対立が整理されるのみで、両者のテキスト内在的な対立構図はあまり明確にされていないという現状がある。そこで、本発表では、カントのアンチノミー論の問題点を、ヘーゲル哲学にかかわる観点から整理した上で、ヘーゲル『大論理学』本質論における矛盾論の概念を浮き彫りにすることを試みた。矛盾の概念は、初期ヘーゲルの「生命論」概念とも通じるものであり、本研究の基礎研究として位置づけられる。 (2)翻訳W Jaeschke,"Hegel Handbuch"2011年に刊行予定。 2 社会倫理問題への実践的連携:以上の基礎的な文献研究と並行して、現代における「性/生殖」問題、および「生命倫理問題」の研究は以下のものになる。 (1)合評会 千田有紀著『ヒューマニティーズ 女性学/男性学』(岩波書店 2009年) 発表(10年9月) (2)第23回介護福祉士国家試験 筆記試験 (合格)・実技試験(合格)(11年3月) (3)平成22年度 宇都宮大学教育学部附属小学校 道徳教育研究部会 指導助言 (10年度)
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Research Products
(2 results)