• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2010 Fiscal Year Annual Research Report

環境倫理学的視点からの自律の概念の構築に関する研究

Research Project

Project/Area Number 22720004
Research InstitutionUniversity of Hyogo

Principal Investigator

豊田 光世  兵庫県立大学, 環境人間学部, 講師 (00569650)

Keywords自律性 / 環境倫理 / 意思決定 / 合意形成 / 市民参加 / 環境保全
Research Abstract

本年度は、「環境保全」と「資源管理」を主なテーマとして、コミュニティーの自律性に関する文献調査と事例調査を行った。文献調査では、特に「コモンズ論」に関する理論を整理し、(1)「自由の制限」と「ルールの設定」が持続的な資源管理において重要であること、並びに(2)外部の圧力によってではなく自らルールを生み出す主体的な管理の力が重要であることを認識した。新潟県佐渡市、京都府京丹後市などで行った事例調査でも、資源利用者がルールを定めることの重要性や、自ら決めたルールを守っていくためのモニタリングの重要性を認識した。コモンズ論では、「持続的な資源管理のためには、自由を制限し、ルールを定めていくことが重要である」という考えが発展するなかで、コミュニティーの自律性が強調されてきたと言える。一方、倫理では人間性に内在する自由を強調することで「自律」の概念が発展してきた。このことを踏まえると、コモンズ論における「自由の制限」と「自律の尊重」には何らかの矛盾が含まれていることが示される。地域主体の環境保全の重要性が強調されているなかで、主体性を示唆する「自由」の概念は大きな意味をもつ。本年度の研究の結果、地域環境の維持管理と保全を行うコミュニティーについて考察を深めるうえで、「自由」と「統治(ガバナンス)」の関係を明らかにすることが重要であるとの見解を得た。
さらに、持続可能な資源管理に向けたルールづくりを考えたとき、「ルールを定める主体は誰なのか」という課題を検討する必要がある。事例調査を通して、「資源管理」から「環境保全」へと視点が移行するとともに、ルールづくりに関与する主体の範囲が拡大することが明らかになった。自律の概念は、何らかの主体を前提とするため、環境倫理学的視点からこの概念の理解を深めていくうえで「主体」に関する考察も重要であるとの認識を得た。

  • Research Products

    (2 results)

All 2010

All Presentation (2 results)

  • [Presentation] 生物多様性の保全に向けた感性的価値判断のリスクとポテンシャル-環境倫理学的視点から-2010

    • Author(s)
      豊田光世
    • Organizer
      第12回日本感性工学会大会
    • Place of Presentation
      東京工業大学(東京都)
    • Year and Date
      2010-09-11
  • [Presentation] Empowering Communities for the Symbiosis with the Crested Ibis2010

    • Author(s)
      Mitsuyo Toyoda
    • Organizer
      The 2^<nd> International Conference of Urban Biodiversity and Design
    • Place of Presentation
      ウインクあいち(愛知県名古屋市)
    • Year and Date
      2010-05-21

URL: 

Published: 2012-07-19  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi