2011 Fiscal Year Annual Research Report
神経哲学的な研究手法による意識の表象理論の妥当性の検討
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22720014
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Research Institution | Nanzan University |
Principal Investigator |
鈴木 貴之 南山大学, 人文学部, 准教授 (20434607)
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Keywords | 意識 / クオリア / 表象 / 神経哲学 |
Research Abstract |
本年度は以下の活動を行った。 (1)意識の問題にかんする最新の研究動向を把握するため、下記の活動を行った。 ・2011年6月に京都で開催された国際学会The 15th Annual Meeting of Association for the Scientific Studies of Consciousnessに参加出席した。 ・2011年6月18日に京都大学の山口尚氏を講演者とした研究会を開催し、知識論法をめぐる問題について出席者と共に議論した。 ・2011年9月から12月に、ニューヨーク大学で開催されたデイヴィッド・チャルマーズ教授主催の意識にかんする研究会に参加出席した。 ・2012年1月から3月まで、コロンビア大学で認知神経科学者のハクワン・ラウ講師の注意と知覚にかんする講義を聴講した。 (2)意識の自然化にかんする理論的、哲学的問題の考察にかんして、下記の活動を行った。 ・在外研究受入先であるニューヨーク市立大学大学院センターのジェシー・プリンツ教授と、研究代表者の博士論文およびプリンツ教授の意識にかんする近刊書を題材として定期的に討論を行い、研究代表者が出版予定である意識にかんする概説書および博士論文の一部を元にした学術論文を執筆する準備を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究期間の前半である平成22年4月から平成23年9月まで、本研究と平行して脳神経科学リテラシーおよび脳神経倫理学を主題とした研究プロジェクトを進めていたことと、平成23年9月より在外研究で米国に滞在するためのさまざまな準備が必要だったことにより、本研究プロジェクトに十分な時間を割くことができなかったことが主な理由である。
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Strategy for Future Research Activity |
上記の研究プロジェクトは1つがすでに終了し、もう1つは平成25年3月まで休止中であるため、今後は本研究の支障となることはない。また、在外研究によって、当初予定していなかった米国の研究者との交流が可能となったことによって、残存期間で研究を大きく進展させることが可能であると考えられる。残存期間は、申請時に予定していたとおり、(1)意識にかんする概説書の執筆、(2)神経科学等の知見をふまえた意識の理論にかんする学術論文の執筆を優先事項とし、可能であれば(3)意識にかんする主要な知見の哲学的意義にかんするレビュー論文の執筆を行うという形で研究を進める予定である。
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Research Products
(1 results)