2012 Fiscal Year Annual Research Report
ドイツにおける赤ちゃんポスト及び匿名出産制度に対するキリスト教の立場に関する研究
Project/Area Number |
22720028
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
TOBIAS Bauer 熊本大学, 文学部, 准教授 (30398185)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 医療倫理 / キリスト教 / 宗教学 / 宗教と医療 / ドイツ / 生命倫理 / 赤ちゃんポスト / 匿名出産 |
Research Abstract |
「平成24年度科学研究費補助金交付申請書」の研究計画に基づき研究を実施した。 (1)赤ちゃんポスト等が法的・倫理的問題を内包することを認識しながらも、なおかつそれを持続させる必要性を訴え、それを提供しているキリスト教系福祉団体が多くみられることから、その立場の元となる神学的(教義上の)・倫理学的な裏づけの分析を行った。また、赤ちゃんポスト及び匿名出産制度を提供するキリスト教系福祉団体のメディアによる報道や世論の受け止め方、並びに、ドイツ倫理審議会の赤ちゃんポスト等の廃止を要求する見解(2009年)と、同じくその廃止要求を支持する連邦家庭省の鑑定書(2011年)の受け止め方も、その組織内外の議論の分析を通して確認した。 (2)上記の(1)に関して、第2回現地調査を実施し、以下にて、現地調査、資料収集、インタビュー、情報交換等を行った。カトリック・アカデミー・ベルリン(ベルリン)、フンボルト大学(ベルリン)、DRZE研究センター(ボン)、DonumVitae福祉事業団の連邦中央事務局(ボン)、SkF福祉事業団の連邦中央事務局(ドルトムント)等 。 (3)上記の(1)を踏まえて、キリスト教系福祉団体の取り組みを含めたドイツにおける赤ちゃんポストを巡る議論を倫理学の見地から考察し、その論拠を纏めて再整理を試み、雑誌論文として発表した。 (4)熊本市「こうのとりのゆりかご専門部会」からの依頼に応じてドイツにおける赤ちゃんポスト問題の現状と展望についての最新情報を口頭発表の形で提供した。 (5)本研究プロジェクトの成果が日本における議論にも十分貢献し得るという確信のもとに、今回の研究成果をさらに展開させ、日本における「こうのとりのゆりかご」を巡る議論と結び付け、より有意義な日独比較研究ができるように、関連分野の研究者との連携を強化し、今後の共同研究体制の準備を行った。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)