2011 Fiscal Year Annual Research Report
<映画作家>の起源―無声期アメリカにおける映画監督の自己成型に関する歴史的研究
Project/Area Number |
22720070
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
後藤 大輔 早稲田大学, 演劇博物館, 研究員 (50468849)
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Keywords | 自己成型 / 映画学 / 映画史 / 作家 / 芸術学 |
Research Abstract |
報告者は、平成23年度における本研究課題の成果は、主に下記2点である。 第1点は文献資料調査とそれらの研究に関するものである。本研究課題の主要目的である「作家の自己成型」に関して、前年度の調査の成果を踏まえてさらなる文献資料調査を進めた。具体的には、国内の図書館に所蔵されている一次資料や雑誌の調査研究と、「作家」及び自己成型」概念についての文献調査と購読を進めた。特にアメリカ合衆国ロサンゼルスの「映画芸術科学アカデミー(AMPAS)に付設されているMargaret Hurrick Libraryには、映画監督エーリッヒ・フォン・シュトロハイムに関する大量の雑誌記事や一次資料の復写の許可を得た。これらの資料は本研究課題の具体的対象であるシュトロハイム監督に関する歴史的資料として大変貴重であり、当該の監督の歴史研究を行う上で非常に大きな重要性を有している。 第2点はデータベース作成に関する成果である。本研究課題は研究計画にも明示した通り、「映画監督の自己成型」に関する歴史的研究として多大な資料を扱うためのデータベース作成を重視する。具体的な成果としては、今年度と前年度の文献資料調査で得られた諸資料を、特にマイクロソフトのソフトウェア・エクセルを利用して、詳細な項目立てに基づき分類を行った。さらにスキャナーと各種ソフトで全ての資料をPDFファイルに電子化して保存する作業を行った。こうした資料のデータベース化は、本研究課題を以後円滑に遂行していく上で不可欠な価値を有しており、来年度以降も利用するに足るものである。 なお今年度は資金交付が4月と10月下旬の二回に分けられたため、予定していた海外調査を行う時期を逸してしまい、遂行することが不可能になってしまったことを申し添えておく。
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