2011 Fiscal Year Annual Research Report
デ・ステイルの造形とアーノルト・シェーンベルクの音楽との共通性
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22720073
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Research Institution | Kobe Design University |
Principal Investigator |
尹 智博 神戸芸術工科大学, デザイン学部, 助手 (90549677)
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Keywords | デ・ステイル / アーノルト・シェーンベルク / テオ・ファンドゥースブルフ / ピエト・モンドリアン / ジョージ・アンタイル / 十二音技法 / 重力 / 調性 |
Research Abstract |
本研究は、近代絵画などに大きな影響を与えたデ・ステイルの造形作品と、近代音楽に大きな影響を与えたアーノルト・シェーンベルクの音楽作品における共通性についての考察を通して、近代の芸術の変遷において、造形の歴史と音楽の歴史がお互いに影響を与え続けながら変遷していた事についてひとつの指針を導きだし、領域横断的な歴史研究の活性化を目指すものです。 本年度は、『De Stijl』誌の中に寄稿されていた8編の音楽に関する論文を抽出した後に、それら全ての翻訳を行いました。そして、その中からシェーンベルクに関する記述の抽出を行いました。また、シェーンベルクが考案した「十二音技法」の構成方法に関して、シェーンベルク自身が作曲を行う為のガイドとして様々なプロダクトを制作しており、それらの解読を行いました。この事については、同時代の音楽家ヨーゼフ・マティアス・ハウアーの「十二音技法」のダイアグラムとの比較を通して、「「十二音技法」のモデルとダイアグラムについて」と題して日本建築学会に発表しました。 デ・ステイルとの関りについては、「デ・ステイルの造形とシェーンベルクの音楽との関りについて」と題して芸術工学会誌に論文の寄稿を行いました。そしてこれらの研究をまとめ、「デ・ステイルの造形とアーノルト・シェーンベルクの「十二音技法」の音楽との関係に関する研究-共通概念としての「無重力」について-」と題した博士論文を提出しました。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究課題に関連して、学会論文1件、紀要論文1件、学会大会代表発表3件を行い、昨年度には、本研究課題に関連した博士論文(研究課題:デ・ステイルの造形とアーノルト・シェーンベルクの「十二音技法」の音楽との関係に関する研究)を提出し、博士号を取得した為。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、シェーンベルクについて、音楽家以外の面でもある、表現主義の画家としての一面からシェーンベルクの芸術観について研究を行うと考えています。そしてこの事を通して、デ・ステイルを中心としてその関り以外にも、同時代の様々な芸術家達との関りについて研究していこうと考えています。
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Research Products
(2 results)