2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22720103
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
高野 泰志 九州大学, 人文科学研究院, 准教授 (50347192)
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Keywords | ヘミングウェイ / カトリシズム / 共産主義 |
Research Abstract |
平成22年6月にイタリアに渡航し、ミラノでヘミングウェイの見た宗教画の配置状況を確認した。ヘミングウェイがイタリア滞在中に通っていたのはブレラ美術館であるが、そこでの宗教画の展示状況を知ることができたのは、ヘミングウェイの宗教観を知る上で非常に重要な成果であった。その後、スイスのローザンヌに移動し、国際ヘミングウェイ学会に参加登録を済ませた後に、イタリアのドーフ・チロルに向かい、エズラ・パウンドの娘にインタビューを行った。パウンドの娘は当地の古城に在住で、ヘミングウェイとの関係を知る上で非常に役に立つ情報を提供してもらった。またエズラ・パウンド協会会長のジョン・R・グレイがたまたま当地に滞在中であり、同様にしてヘミングウェイとパウンドの関係について詳しい話を伺うことができた。スイスに戻った後、6月30日に国際ヘミングウェイ学会においてイタリアでの調査結果を発表し、アメリカの研究者にさまざまな有益な示唆をもらった。特にデブラ・モデルモグのコメントは今後の研究に対して非常に重要な方向付けとなった。 日本帰国後、当地での研究成果を論文にし、平成23年度に出版する予定である。 その後は今年度の研究の準備として、ヘミングウェイのカトリシズムに関して調査を継続している。今年度の調査旅行に向けて、ヘミングウェイが作品に描き込んだスペインの巡礼地をリストアップし、調査の必要な場所を特定する作業を続けている。
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Research Products
(1 results)