2011 Fiscal Year Annual Research Report
韻文および散文の『メノロギウム』:暦学教育との関連から
Project/Area Number |
22720113
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Research Institution | Komazawa University |
Principal Investigator |
唐澤 一友 駒澤大学, 文学部, 教授 (00347288)
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Keywords | 古英語文学 / アングロ・サクソン学 / 暦学 |
Research Abstract |
本年度の目標は、(1)散文のMenologiumのエディションを完成させること、および(2)韻文および散文のMenologiumが後期アングロ・サクソン時代の暦学やその教育の伝統の中においていかなる位置付けのものであるかを解明することを目的に、特に、当時用いられていたカレンダーとの関係性に着目しながら研究を進めることであった。 (1)については、散文のMenologiumのエディションを作成し、目標を達成することが出来た。ただし、研究計画の中にも述べたように、作成したエディションそのものについては、本研究に基づき最終的に作成・出版予定の韻文のMenologiumのエディションと一緒に出版したいため、現段階ではまだ出版しないことにした.その代わりに、今年度は、エディションを作成する過程で作ったparallel textおよびこれに関する論考を論文の形にまとめた。 (2)については、昨年に引き続き、英国、オクスフォードのBodleian Libraryおよびロンドンの大英図書館において、特にカレンダーと関連する写本の実地調査を行った。調査の成果の一部は、(1)との関連で執筆した論文の中に組み込むことが出来た。また、今年度までの調査により、アングロ・サクソン時代のカレンダーについては(ごく一部を除き)、大方調査が終わり、次年度以降は、ラテン語によるmetrical calendars、さらにはアイルランドにおける類似した文学について、韻文および散文のMenologiumとの関連で調査・研究を行う下地が出来たと言える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画に沿って調査・研究を進めており、現在までのところ、各年度の目標はおおむね達成されているため、全体として、計画は順調に進んでいると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度および本年度の実地調査が順調に進んだため、次年度以降は、ラテン語のmetrical calendarsやアイルランドにおける類似作品など、これまでまだ詳しく見ることが出来ていなかった作品についても実地調査を行い、前年度までの調査結果と合わせて、より充実した研究成果を論文としてまとめる予定である。
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