2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22720150
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
梅谷 博之 東京大学, 人文社会系研究科, 研究員 (60515815)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | モンゴル語 / 形態論 / 語形成 / 派生 / 屈折 / 複合 |
Research Abstract |
昨年度までの研究に続き,「名詞と自動詞の二つが組み合わさり,一つのまとまった概念を表す表現」および「preverbとよばれる副詞的な語と動詞の組み合わせ」について記述を進めた。前者については,「名詞+自動詞」の組み合わせが現れる文に統語的な操作を行なった場合に,どのようなふるまいを示すかを調査した。そして「名詞+自動詞」を使役化した場合に,元の文で主格で現れていた主語名詞句が,(被使役者を表す名詞句として)対格で標示されること等が分かった。後者については,昨年までの研究で,「preverb+動詞」の結合度が強いことを示すデータと,結合度が弱いことを示すデータの両方が見つかっている。今年度はその結合度に関してさらに記述を進めた。preverbに関する研究成果は,2013年6月に開催される日本言語学会第146回大会で「モンゴル語におけるpreverbと動詞との間の結合度」という題で発表予定である(採択済み)。 さらに,動詞から名詞を派生する接辞である,-ltのふるまいを記述した。モンゴル語には動詞の直前に現れる否定クリティックが存在するが,-ltにより派生した名詞は,この否定クリティックを取れることが分かった。またこの接辞は多くの場合,動詞の「語基」につくが,統語的単位である「句」についていると思われる例も存在する。こうした点で,-ltは(派生接辞であると同時に)形動詞語尾とよばれる動詞の屈折接辞と共通する特徴を持っていることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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