2011 Fiscal Year Annual Research Report
東洋文庫所蔵西夏文文献マイクロフィルムの整理とデータベース化
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22720151
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
荒川 慎太郎 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 准教授 (10361734)
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Keywords | 西夏語 / 西夏文献 / 東洋文庫 |
Research Abstract |
東洋写本研究所(ロシア、サンクトペテルブルグ市)には、古代文字文献である西夏文字資料が所蔵され、それを原版とする貴重なマイクロフィルム形式の資料が東洋文庫(東京)に所蔵される。これらのマイクロ資料の内容を整理し、将来的には目録を公開することを本研究の目的とする。単なる数値・文字データの入力にとどまらず、漢語・チベット語題名の西夏語への訳出規則といった言語学的分析、及び、西夏語仏典の特徴を抽出するという仏教学的見地からの研究も行う。 東洋文庫所蔵マイクロフィルムには、現物の撮影に不可避な誤りに起因して、実際のページが脱落していたり、掲載順序が混乱している場合がある。したがって、東洋写本研究所での現地調査、実際の文献調査を行うことが欠かせない。申請者は今年度も、ロシア、サンクト・ペテルブルグに渡航し、東洋写本研究所にて、主に西夏文仏教文献の実見調査を行った(2011年7-8月)。 初年度より継続する、東洋文庫所蔵西夏文マイクロフィルムについて、申請者の既存の入力データのチェックも行っている。本研究課題にとって重要な、東洋写本研究所所蔵の「西夏語文献原題」「目録番号」は、最も困難な箇所である西夏文字(西夏文字題名については西夏文字フォントによる入力)・漢訳・目録番号の入力を今年度で終えた。 ロシア所蔵西夏文文献と密接な関係を持つ、アメリカ、プリンストン大学所蔵仏典断片について全文のテキスト化、訳注を完成させ、雑誌に発表した。他、各種西夏文字資料の言語学的研究も進め、学会発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本課題にとって重要な、「西夏語文献原題・目録番号」は、最も困難な箇所である西夏文字・漢訳・目録番号、の入力を今年度で終えており、最終年度のチェックも支障なく行える見通しであるため。
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Strategy for Future Research Activity |
特に問題点がないため、大きな変更・対応策などはない。当初の計画通り、西夏文字フォントによる目録入力のチェック、その漢訳のチェック、整理番号などの入力チェックを重ね、精度を高める。
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Research Products
(6 results)