2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22720155
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
藤原 敬介 京都大学, 文学研究科, 教務補佐員 (00569105)
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Keywords | チベット・ビルマ語派ルイ語群 / カドゥー語 / ガナン語 / チャック語 / 基礎語彙調査 / 声調 / 比較言語学 |
Research Abstract |
2011年度もひきつづきチベット・ビルマ語派ルイ語群(カドゥー語・ガナン語・チャック語)について研究をおこなった。具体的には以下の研究を実施した。 (1)カドゥー語の基礎語彙調査とテキスト収集:2011年8月および2012年3月にビルマでカドゥー語を調査し、これまでに調査した基礎語彙の再確認と収集したテキストのかきおこし作業をおこなった。基礎語彙については3000語規模の語彙集がほぼ完成した。今後は発表にむけて細部の修正をおこなう必要がある。 (2)ガナン語の基礎語彙調査とテキスト収集:ガナン語についてもカドゥー語と同時期に同様の調査をおこない、ほぼ同様の成果をあげることができた。すなわち3000語規模の語彙集がほぼ完成した。今後は発表にむけて細部の修正をおこなう必要がある。 (3)チャック語の語彙集作成:2012年9月にバングラデシュでチャック語の調査をおこない、これまでに収集した資料を整理し、語彙集作成に着手した。 2011年度の主要な成果は以下のとおりである。 (1)2010年度にガナン語の声調についておこなった学会発表を「ガナン語音韻論」としてまとめた。この論文では、ガナン語の声調規則を世界ではじめてあきらかとしたほか、種々の連声規則についてもこまかく記述した。 (2)チャック語の格体系にかんする論文をまとめた。 (3)カドゥー語の声調体系にかんする学会発表をおこない、世界ではじめてカドゥー語の声調規則をあきらかとした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画では1000語規模の基礎語彙集をカドゥー語とガナン語について作成する予定であった。ところが研究が順調にすすみ、3000語規模の語彙集になりつつある。ただし結果として、当初予定していたよりも資料整理のためにおおく時間がかかっているという問題がある。
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Strategy for Future Research Activity |
今後もひきつづきカドゥー語とガナン語の臨地調査を継続する。これまでに収集した資料の再確認を重点的におこなう予定である。
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