2011 Fiscal Year Annual Research Report
地理情報システムを用いた中国の諸言語に関する言語類型地理論的研究
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22720157
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
更科 慎一 山口大学, 人文学部, 准教授 (00379918)
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Keywords | 地理情報システム / 中国語 / 言語類型地理論 / 臨夏方言 |
Research Abstract |
23年度における研究は、中国の諸言語に関する研究文献の収集、データベース検索プログラムの開発及びデジタル地図の作成、及び中国での実地調査を主とする。 文献の収集については、前年度に引き続き、出版された先行研究を収集し、中国の少数民族言語及び中国語方言に関する資料をほぼ収集しえた。これによって、デジタル地図に表示させる言語種の選定が基本的に完了した。言語種の選定にあたって、少数民族語に関しては、話者人口の多寡に関わらず、中国で話される全ての言語種を網羅することとし、一方中国語方言に関しては、代表的な地点を選び、デジタル地図の効果的な表示を図ることとした。 データベース検索プログラムの開発及びデジタル地図の作成については、前年度1月に構築したGISシステム上に載せる言語データを追加したほか、本学の乾秀行准教授によって既に作成されている「山口大学世界言語WebGIS」上で閲覧及び検索を行うシステムを試行した。 中国での実地調査については、8月から9月にかけて中国の北京市・甘粛省・青海省に赴き、文献調査及びフィールド調査を行った。北京では、国家図書館において中国の研究者による少数民族言語に関する研究著作(単行本、博士論文等)を閲覧し、甘粛省では、前年度に続いて臨夏市の中国語方言の字音を調査した。8月の調査の成果は、口頭発表一件(日本中国学会大会、10月30日、愛媛大学)として発表された。この発表は、前年度に発表した論文「甘粛省臨夏方言の連読変調について」を発展させ、当該方言の声調に関する記述を更に精密化した上、周囲の少数民族言語との影響関係に説き及んだものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
8月の実地調査中に風邪を引いたことを除き、調査研究の遂行上別段の障害がなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、収集したデータ入力の完成と、完成した言語地図の解釈に力を注ぐ。日本中国語学会全国大会での発表のため、8月中に一定の結果を出し、発表後は電子地図の閲覧・検索機能の完成、地図の最終的な分析、及び研究成果報告書の執筆に努める。
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Research Products
(1 results)