2012 Fiscal Year Annual Research Report
地理情報システムを用いた中国の諸言語に関する言語類型地理論的研究
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22720157
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
更科 慎一 山口大学, 東アジア研究科, 准教授 (00379918)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 言語地図 / 中国語 |
Research Abstract |
一、23年度に設計された中国電子地図のGISデータに、中国において現在まで報告されているほぼ全ての言語のいくつかの音韻情報を入力し、言語地図として表示させるシステムを構築した。この地図によって、ある特定の音韻的特徴について、中国語(漢語)と少数民族語(非漢語)を問わず、中国大陸部に話されるほぼ全ての言語における分布状況を視覚的に把握でき、漢語と非漢語とにわたって検討すべき地理的分布の特性を論じることができるようになった。検討された音韻項目には、語頭子音に関するもの(ng, f, nとlの区別、lとrの区別、閉鎖子音の弁別項数及びそのパタン)、末子音に関するもの(閉鎖子音、鼻子音、その他)、声調に関するものがある。これらの音韻特徴の分布様相は、中国の諸言語について扱った諸研究においてもたびたび注目されていたが、多くの場合、同系言語内部での検討にとどまっていたものである。本研究によって、例えば語頭子音ngの分布について、中国南部及び西南部の少数民族言語では普遍的に見られるのに対して北部の少数民族言語にはまれであることに呼応して、漢語方言においても南部諸方言では普遍的であるのに北方諸方言ではあまり一般的でないなど、漢語と非漢語の別を超えた地理的特徴が見出されることが、電子地図上で明らかにされた。 二、23年度までに甘粛省において収集した漢語方言の音韻体系を整理し、同音字の表を作成した。これによって、同地の方言が漢語の大きな特徴である「声調」の体系を衰弱させていることが実地データによって裏付けられた。 なお、今年度は、24年12月末より翌25年3月末までの間校務が多忙になったこと等により、予算の執行が計画通りに行かない面があった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(1 results)