2011 Fiscal Year Annual Research Report
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22720159
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
古閑 恭子 高知大学, 教育研究部・人文社会科学系, 准教授 (90306473)
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Keywords | ガーナ / アカン語 |
Research Abstract |
本研究は、ガーナ共和国に話される現地語の1つであるアカン語のアサンテ方言、ファンテ方言、アクアペム方言の3方言の共時的データ構築を目指す。母音調和、声調などにおけるこれら3方言の違いには、歴史的変化が絡んでおり、共時的データ構築は、こういった問題に取り組むための基盤づくりとなる。なお、これに類似する資料は、現在のところない。 これを踏まえ、本年度は、第一に、昨年に引き続き、セントラル州アノマボで約1ヵ月間、ファンテ方言の調査を行った。インフォーマントは昨年と同じ、アノマボ生え抜きの50歳代の男性である。調査は1日約6時間ずつ毎日行った。今回の収集語彙は約3000語で、昨年収集した語彙約2000語と合わせておよそ5000語となり、ファンテ方言の語彙収集は、年度当初に計画したように、これでひとまず達成されたことになる。また、昨年に引き続き、所有名詞句や動詞活用形などの派生形も併せて収集した。第二に、帰国後、手書きのデータを録音資料で音声を確認した上で、エクセル上で入力を行った。 ガーナ滞在期間中、ガーナ大学言語学部を訪問し、同学部上級講師Agbedor氏と調査・研究に関する意見交換を行った。インターネット上アカン語辞書作成団体「kasahorow」研究員のImbeah氏とも辞書作成方法について意見交換を行った。この他、公立・私立小学校、中学校を訪問し、授業の様子を見学し、教員、児童・生徒にインタビューを行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書に記載したように、ファンテ方言の語彙約3000語を収集し、ひとまずファンテ方言の語彙調査は完了した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も引き続きアサンテ方言のデータ整理、ファンテ方言のデータ入力・整理を行う。その上で両方言で調査が欠けている、あるいは再調査が必要な項目について再び調査を行う。再調査には時間がかかりそうであり、研究期間内にアクアペム方言の調査を行うことが困難になってきた。当初予定していた3方言ではなくアサンテ方言、ファンテ方言の2方言の比較研究になる可能性がある。
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