2010 Fiscal Year Annual Research Report
統語部門と音韻部門のインターフェイスから見る言語の随意性に関する研究
Project/Area Number |
22720165
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Bunkyo Gakuin University |
Principal Investigator |
塩原 佳世乃 文京学院大学, 外国語学部, 准教授 (30406558)
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Keywords | 言語学 / 統語論 / 音韻論 |
Research Abstract |
本年は日本語と英語の動詞句イディオムを中心とした語順に係る制限について資料の見直しを行い、その結果を2学会(FAJL5,日本英語学会第28回大会)で発表した。 まず、動詞句イディオムの音韻特性を分析するため、日本語と英語の動詞句イディオムをそれぞれ母国語話者に読み上げてもらい、音声ファイルとして保存し、ピッチやイントネーションを見ることを始めた。分析はまだ途中であり、上記2学会での発表の時点では、それらについて十分な議論を提示するまでには至らなかったが、「動詞句イディオムは、韻律上の卓立を含み、最小の韻律句内になければならない」という仮説を立てて、先行分析の問題点を解決する方向性を示すことができた。これは、これまで主に統語的な説明を与えられてきた日本語と英語の動詞句内イディオムを音韻・韻律の観点から再分析したもので、研究課題である「統語部門と音韻部門のインターフェイスから見る言語の随意性に関する研究」に直接的な係わりを持つ。FAJL5では1時間という十分なポスター発表の時間が設けられており、参加者より有意義なフィードバックを得ることができた。また、日本英語学会での発表内容は、同学会同ワークショップで発表した札幌大学の時崎教授、東北学院大学の那須川教授の論文とともに、日本英語学会の学会誌(English Linguistics)の特集号にて2011年度に発表される予定であり、その後さらなるフィードバックが期待される。
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