2011 Fiscal Year Annual Research Report
Root Emedded Clause現象の統語メカニズムの研究
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22720168
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Research Institution | Meiji Gakuin University |
Principal Investigator |
平岩 健 明治学院大学, 文学部・英文学科, 准教授 (10572737)
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Keywords | 生成文法 / 統語論 / 関係節 / 疑問文 / 間接疑問文縮約 / 埋め込み節 / CPとDPの平行性 / 削除 |
Research Abstract |
本年度の研究では、(1)日本語の二種類の疑問詞削除構文の構造の比較研究、(2)Dagaare語の名詞的間接疑問文縮約の研究、及び(3)琉球語(首里方言)における関係節及び主文疑問文の統語構造の研究を行った。 (1)で研究を行った現象の一つである疑問詞削除構文は管見では先行研究が存在しておらず、今年度はまず基礎的な研究を行い、これは主文でしか許されない削除操作であり、いわゆる通常の間接疑問文縮約現象との類似点と相違点を明らかにした。次年度も引き続き行う予定である。(2)の名詞的間接疑問文縮約に関しては、前年度から引き続き、2012年2月に香港大学のAdams Bodomo教授の言語データ協力に基づきフィールドワーク研究を行った。前年度の研究結果を基に、Dagaareの直接・関節疑問文、補文構造と補文標識選択、及び名詞的間接疑問文縮約のさらに詳細な研究を行い、その統語構造をほぼ明らかにすることができた。また、同現象は日本語の(1)の疑問詞削除現象にも関連する興味深い統語的特徴が明らかになった。最後に(3)の琉球語(首里方言)の関係節に関しては、2012年3月に現地フィールドワークを行い、まず基本的な統語特徴の記述的基礎研究を行った。また、その中で日本語と琉球語(首里方言)の関係節と従属節の類似点と相違点を明らかにした。さらに様々な削除現象に関する予備的な研究も行い、日本語の削除現象に関して従来言われてきた通説を覆すデータが発見された。来年度以降、さらに詳細な研究を行う予定である。以上の研究から、主文構造と従属節構造の統語的差異の一側面を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
震災の影響、及びそれに伴う研究費交付の遅れから夏期休暇中のフィールドワーク及び海外研究を行うことができなかったものの、概ね研究計画通りに進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度、今年度の研究成果を踏まえ、日本語、琉球語(首里方言)、Dagaare語の三言語の比較統語論研究を推し進める予定である。
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Research Products
(2 results)