2012 Fiscal Year Annual Research Report
Root Emedded Clause現象の統語メカニズムの研究
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22720168
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Research Institution | Meiji Gakuin University |
Principal Investigator |
平岩 健 明治学院大学, 文学部, 准教授 (10572737)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 生成文法 / 統語論 / 関係節 / 疑問文 / 軽名詞 / 埋め込み節 / 名詞クラス |
Research Abstract |
本年度の研究では、(1) 琉球語(首里方言)における削除構文の詳細な研究、(2) Dagaare語の名詞構造の統語的研究、及び (3) 日本語におけるNP削除構文の再検討と首里方言との比較研究、を行った。 (1)では2013年3月にフィールドワークを行いNP削除構文のメカニズムの解明に焦点を当て、琉球語(首里方言)では軽名詞を用いる日本語と異なりNP削除が存在することが明らかになった。(2)では、2013年2月にフィールドワークを行い、軽名詞と名詞クラスの構造の詳細を明らかにした。最後に(3)では日本語の名詞内削除現象では従来の見解とは異なりNP削除ではなく軽名詞による代名詞化が用いられていることを証明した。そして軽名詞とそれに基づく代名詞システムは、一見全く異なるように見えるが実はDagaare語等のアフリカ諸語に見られる名詞クラスと同一のメカニズムを有していることが分かった。 以上からREC現象 (Root Embedded Clauses) において用いられる文末要素の多くが日本語では同じ軽名詞であることを明らかになった。また、これらの軽名詞は広く副詞節の導入やトコロ節にも用いられるが、日本語と比較すると機能範疇としての軽名詞がさほど発達していないDagaare語では日本語タイプの「主節・根節として生起する従属節」が存在しないことは偶然の一致ではない。 研究成果の一部は2012年9月に開催されたSyntax and Semantics Workshopにおいて発表を行い、論文が出版された。またこれに関連した軽名詞「の」の縮約現象に関する論文も出版予定である。Dagaare語を含む名詞句構造及び関係節構造に関しては、2012年10月に開催されたWorkshop on Internally-Headed Relative Clausesにて発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)