2010 Fiscal Year Annual Research Report
社会科(歴史)・第一言語・第二言語の相互育成ための統合カリキュラムと教材の開発
Project/Area Number |
22720199
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Research Institution | Joetsu University of Education |
Principal Investigator |
原 瑞穂 上越教育大学, 大学院・学校教育研究科, 准教授 (90452036)
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Keywords | 年少者日本語教育 / バイリンガル教育 / 社会科(歴史)・L1・L2の相互育成 / 認知的ネットワーク / カリキュラム開発 / 多言語多文化共生 |
Research Abstract |
本研究の目的は、年少者日本語教育において、学校現場を含めより多くの修学支援場面での実践の手立てとなる教科内容の理解、L1とL2の伸長を図るための統合的なカリキュラムと教材を開発することである。具体的には、現在日本語指導が必要な外国人児童生徒の上位を占める中国語L1話者を対象とし、日本史と中国史を関連付け、L1(中国語)とL2(日本語)で学習を進めるという方法で実施するカリキュラムと教材の開発を行う。カリキュラムと教材の試案作成→試行→評価→完成という段階を踏むことで、汎用性と継続性を見込めるカリキュラムの開発を目指す。 平成22年度は社会科(歴史)と第一言語と第二言語の相互育成のための統合カリキュラムと教材の試案づくりを行った(尚、申請書の研究計画書通り、平成22年度はカリキュラムと教材の作成を主たる目的とし、学会や論文等の発表は行っていない)。具体的な作業は、研究協力者とともに行っており、まず、日本と中国の中学校における歴史学習の内容について勉強会を開き、それぞれで行われている自国の歴史教育の概要を把握した。次に、それぞれの歴史学習で重視されている日本史と中国史に関する学習内容を踏まえた上で、特に両国間の歴史で関連性のある事象や概念に着目して整理し、当該カリキュラムで取り扱う学習項目を抽出した。次に、それらを学ぶための具体的な授業案と指導法、教材について検討を重ね、試案を作成した。現在までに、一部試案をもとに試行を進め、利用者のフィードバックを得て見直し、改訂を行っている。また、指導上の具体的な指南となる手引き書の作成も併せて行っている。手引き書の作成は申請時の研究計画書には含めていなかったが、汎用性と継続性のあるカリキュラム開発を目指す上で外国人児童生徒の学習指導に携わる者にとってより利用しやすい形でリソースを提供することが重要であると考え、含めることとした。平成23年度は引き続き試案を試行し、評価を行い、カリキュラムと教材の完成を目指す。
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