2011 Fiscal Year Annual Research Report
イタリア人宣教師と日本語-イエズス会士ヴァリニャーノとサレジオ会士チマッティ-
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22720207
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Research Institution | SALESIAN POLYTECHNIC |
Principal Investigator |
村田 昌巳 サレジオ工業高等専門学校, 一般教育科, 准教授 (40390471)
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Keywords | 日本語教育 / 異文化コミュニケーション / 日本語学 / 言語学 / イタリア語 |
Research Abstract |
本研究は、イエズス会士ヴァリニャーノAlessandro Valignano(1539~1606)とサレジオ会士チマッティVincenzo Cimatti(1879~1965)を「宣教師と日本語」という観点から比較対照するものである。平成22年度の研究成果を本年度(平成23年度)に「アレッサンドロ・ヴァリニャーノとヴィンチェンツォ・チマッティ(I)研究序説」(『サレジオ工業高等専門学校研究紀要』第38号所収)にまとめ、そこから平成23年度の研究目標たる「イタリア語話者の第二言語習得・日本語習得に関する文献収集及び検討」へと内容を深化・拡張させようと試みた。チマッティ資料館(東京都調布市)、イエズス会聖三木図書館(東京都千代田区)等での調査活動に加え、キリシタン学研究の中心的役割を担う組織である「キリシタン文化研究会」に入会することで他の研究者より有益な助言を得ることができた。上記紀要論文で、同じイタリア籍であっても時代の違いがそのまま大きくイタリア国およびイタリア語の違いという背景的情報の重要な差異に繋がることを論じ、イタリア語話者の第二言語習得という側面からよりも、イタリア人宣教師の日本語観という側面から両者を比較検討する方が学術的意義及び有効性が大きいという理解・判断に至った。そのため、平成23年度の研究目標を若干修正し、「イタリア語話者の第二言語習得・日本語習得に関する文献収集及び検討」から「イタリア人宣教師ヴァリニャーノとチマッティの日本語観に関する文献収集及び検討」へと変更したが、これは単なる軌道修正ではなく、より確実且つ信頼性のある研究成果へと繋がる改善となった。この方向性のもと、平成23年度も必要にして十分な資料を収集し検討することができたので、成果を順次発表していきたい。 (754字)
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
より確実且つ信頼性のある研究成果に繋げるため、平成23年度の研究目標を「イタリア語話者の第二言語習得・日本語習得に関する文献収集及び検討」から「イタリア人宣教師ヴァリニャーノとチマッティの日本語観に関する文献収集及び検討」へと改善したが、結果的にはその変更が順調な研究活動へと結びついた。
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Strategy for Future Research Activity |
より確実且つ信頼性のある研究成果に繋げるため、平成23年度の研究目標を「イタリア語話者の第二言語習得・日本語習得に関する文献収集及び検討」から「イタリア人宣教師ヴァリニャーノとチマッティの日本語観に関する文献収集及び検討」へと改善したが、これは申請時に記載した「研究期間3年間での達成目標」である「(1)ヴァリニャーノの日本語学習に関する文献を収集し、その学習の足跡を辿り記述すること」と「(2)ヴァリニャーノとチマッティの日本語学習の過程とその結果を比較対照し、異文化コミュニケーション史研究として、母語イタリア語の影響に着目しつつ、両宣教師の努力・格闘・苦悩の過程を明らかにすること」という2点に対して、より効率的なアプローチとなった。そのため、今後は当初の予定通り、平成24年度目標「ヴァリニャーノ日本語学習関係文献とチマッティ日本語学習関係文献の比較対照分析及び記述」に向けて研究に従事する予定である。
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Research Products
(1 results)