2011 Fiscal Year Annual Research Report
日本人英語学習者の心的辞書における派生語と語幹の関係についての研究
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22720210
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
森田 光宏 山形大学, 人文学部, 准教授 (30422166)
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Keywords | 外国語教育 / 第二言語習 / 実験系心理学 / 言語学 / 心的辞書 / 形態論 / 語彙習得 / オンライン処理 |
Research Abstract |
研究の目的は、日本人英語学習者の心の中の辞書(心的辞書)において派生接辞付き語がその語幹となる語と、どのような語彙ネットワークを構築しているのかを明らかにすることである。具体的には、2種類の手法(プライミング及びマスク・プライミングを用いた語彙性判断課題)を用いた心理学的実験を英語学習者並びに、英語母語話者に課すことで、以下の3点を明らかにすることを目的とする。 1.派生接辞付き語と語幹は、意味・形式(綴り・音韻)により繋がっているのか、それとも、派生形態素レベルでの繋がりであるのか 2.語幹と派生語のネットワークは英語習熟度が増すにつれて、どのように変化していくのか 3.語幹と派生語のネットワークは、日本人英語学習者と英語母語話者とでは異なるのか 平成23年度は、資料収集を行うとともに、クロスモーダル・プライミングを用いた実験を行い。日本人英語学習者及び英語母語話者よりデータを収集した。また、年度中盤から、実験の第二段階であるマスク・プライムを用いた実験のパイロット実験を行い、実験手順の確認などを行った。 これらの実験で用いた語彙は、前年度の語幹と派生語の意味関連調査の結果を踏まえ策定したものである。この意味関連調査自体も興味深い結果を得たので、全国英語教育学会において、意味関連調査から分かったことを発表した。 次年度は、英語母語話者の実験参加者が不足しているクロスモーダル・プライミング実験を行うとともに、日本人英語学習者にたいしてはマスク・プライム実験を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究はやや遅れている。東北大震災の影響で研究開始時期が遅れたこと、また、本研究の実験参加者となり得る英語母語話者が東北地方から離れたことで、実験参加者を集めるのに苦慮したことが原因としてあげられる。
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Strategy for Future Research Activity |
予定より若干の遅れは見せているが、研究の方向や方針を変更するほどではない。今後も、近隣県在住の英語母語話者を対象に実験を行う。並行して、日本人英語学習者の実験参加者からのデータ収集も継続する。
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